2002 Fiscal Year Annual Research Report
インシュリン産生細胞の分化誘導と移植医療への応用-膵ラ島移植から再生医療への展開-
Project/Area Number |
14370346
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
砂村 眞琴 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (10201584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江川 新一 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00270679)
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
宮崎 純一 大阪大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10200156)
福山 尚治 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10344673)
松野 正紀 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004737)
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Keywords | 膵ラ島 / VEGF / angiopoietin / 血管新生 / PDX-1 / 膵管上皮細胞 / 膵再生 |
Research Abstract |
血管新生はVEGF、Angiopoietin-1など様々な因子により調節されている。これら因子は移植膵島の正着に血管新生を介して関与すると近年考えられるようになってきた。本研究では移植膵島に血管新生因子を導入することにより血管新生を促進し、移植生着率の向上が可能か検討した。VEGF遺伝子やAng-1遺伝子を組み込んだvectorを用い膵島にex vivoで遺伝子導入し、膵島の血管新生、移植生着率を比較検討した。ICR miceより採取した膵島をICR miceの背側皮膚に作成したskinfold chamber内に移植した同系移植モデルにおいて、非感染群のmiceでは移植6日目に新生血管を、移植14日目には新生血管がネットワークを形成しているのを確認した。また、VEGF導入群では移植4日目に新生血管を、移植10日目に血管網の形成を見た。Ang-1導入群も移植4日目に新生血管を確認できた。実体顕微鏡上の所見では、各群間に新生血管数の差は見られなかった。膵島の生着率は非感染群で45%、VEGF導入群で65.5%、Ang-1群で75%であった。すなわち、移植膵島の血管新生を誘導することにより移植後の生着率が改善され、その効果はAng-1が優れていた。 ヒト膵より膵管上皮細胞を分離し細胞株を樹立した。またPDX-1遺伝子導入用のアデノウイルスベクターを作製した。PDX-1遺伝子導入による膵管上皮細胞の形質および機能の変化につき検討を加えている。PDX-1により膵管上皮細胞は凝集し、膵島のようなクラスターを形成した。また、E-cadoherinおよびglucagonの発現誘導が上昇していた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 砂村眞琴, 松野正紀: "膵ラ島移植における拒絶反応の制御と再生医療の応用"日本アフェレシス学会誌. 21・2. 132-140 (2002)
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[Publications] 砂村眞琴, 松野正紀: "膵内分泌細胞の再生-現状と展望"外科治療. 86・1. 15-20 (2002)
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[Publications] Duda D.G., Sunamura M 他: "Overexpression of the p53-inducible brain angiogenesis inhibitor 1 suppresses efficiently tumor angiogenesis"British Journal of Cancer. 86・3. 490-496 (2002)
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[Publications] Hoshida T., Sunamura M 他: "Gene Therapy for pancreatic cancer using an adenovirus vector encoding soluble flt-1 vascular endothelial growth factor receptor"Pancreas. 25・2. 111-121 (2002)