2004 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝硬変に対する肝移植における、肝炎再発機序とその制御に関する臨床的研究
Project/Area Number |
14370356
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 康弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80335281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
木内 哲也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40303820)
上本 伸二 三重大学, 医学部, 教授 (40252449)
江川 裕人 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40293865)
貝原 聡 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (70324647)
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Keywords | C型肝硬変 / 生体部分肝移植 / 免疫抑制剤 / 繊維化 |
Research Abstract |
C型肝硬変に対する生体部分肝移植術後の肝炎再発について、そのnatural courseを把握するため、移植後生存率、組織学的再発につき、91人の患者につきフォローアップを行った。まず、5年生存率については70%と他疾患に対する生体部分肝移植の成績(71%)と差は認めなかった。C型肝炎の再発について、組織での繊維化で評価すると移植後1、2、3年で53%,73%,79%と効率に再発が認められた。繊維化への進行のリスクファクターとしては、女性のレシピエント、男性のドナー、グラフトレシピエント体重比が1%以上の組み合わせが明らかとなった。免疫抑制剤については、プログラフ、ネオーラルの使用において大きな差を認めなかった。ただし、ステロイドパルスは生存率を有意に低下させた。また、30人のレシピエントで移植ウィルス治療を施行したが、うち10名で治療を完了し、4名でsustained viral responseが得られている。この結果を現在までに報告されている、海外の脳死移植の報告と比較検討すると、移植後生存率、移植後再発率、移植後ウィルス治療成績いずれをとっても、脳死移植と大きな違いはない。単一施設内での比較ではないが、C型肝硬変に対する肝移植において、生体ドナーを用いた移植がその成績において特に劣っている訳ではないと考えられた。拒絶反応の発生を抑え、ステロイドパルス療法をさけるために、至適免疫抑制療法を検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)