2002 Fiscal Year Annual Research Report
HN-1融合蛋白とSCCAプロモーターを導入した食道癌特異的治療ベクターの開発
Project/Area Number |
14370370
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥芝 俊一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70185536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 正樹 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (40333611)
近藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30215454)
加藤 紘之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80002369)
多田 光宏 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10241316)
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Keywords | 食道癌 / 遺伝子解析 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / RCAS1 / caveolin-1 / SCCAプロモーター |
Research Abstract |
食道癌で特異的に発現する遺伝子を同定し、治療遺伝子の標的とすることを目的としておこなったスクリーニングにおいてRCAS1遺伝子、Caveolin-1遺伝子が明らかとなった。一方、扁平上皮癌特異的遺伝子のプロモーターとしてSCCAプロモーターを導入したアデノウイルスベクター導入用シャトルベクターを構築した.まず胎児腎細胞株293細胞よりPCR法でクローニングしたSCCAプロモーターをpGL3ベクターに導入し,緑色発光遺伝子(GFP)と赤色発光遺伝子(DsRed)をレポーターとして挿入したベクターおよびKLAKLAK2遺伝子を治療遺伝子として挿入したベクターを構築,これらを制限酵素で切り出してシャトルベクターpAdTrackに導入した.これらのベクターと大腸菌を用いた相同組み換えの系を用いて3種類のアデノウイルスベクター(Ad-Mock, AdSCCA-Red, AdSCCA-KLAKLAK2)を構築した。AdSCCA-Red, AdSCCA-KLAKLAK2)とSCCA産生のあらかじめ分かっている扁平上皮癌細胞株LK2とLC1およびSCCA産生のない腺癌細胞株A549とABC-1,正常細胞株SAECを用いて発現実験および治療実験を行った.AdSCCA-Redを用いた検討ではA549,ABC-1,SAECではDsRedは発現しなかったのに対しLK2,LC1で強い発現が確認された。AdSCCA-KLAKLAK2を用いた遺伝子治療実験ではA549,ABC-1,SAECに対しては細胞毒性を示さなかったのに対し,LK2,LC1でアポトーシスが誘導された。以上のことから,このベクターを用いることによって,正常組織では副作用のない遺伝子導入系をつくることができることが証明された.この治療効果および正常細胞への安全性はヌードマウスの癌移植モデルにおいても確認された.(論文投稿中)
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Research Products
(1 results)