2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370376
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 博之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10312935)
外川 明 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80334192)
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Keywords | 肝発生 / 肝再生 / 血管内皮細胞 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
肝臓発生機構の解明と肝補助療法への応用 本研究の目的は、肝の発生、再生の機構を解明することにより、大量肝切除後や、劇症肝炎等の広範な肝障害を伴う疾患に対する治療法を確立することにある。これまでに肝発生、再生時において血管内皮細胞が重要な役割を果たすことが報告されてきたが、具体的にどの様な機構で血管内皮細胞が肝細胞の分化、増殖を制御するかを検討した。 細胞外マトリックス(ECM)とその分解酵素の関与。 肝細胞の分化にはECMとその分解が重要な役割を果たしていることが知られている。そこで、ECMが肝発生時にも何らかの役割を果たしていると考え、肝発生時において、ECMの1つであるラミニンの発現を免疫染色法にて検討した。肝芽細胞は発生極初期には血管内皮細胞で囲まれた腹側原腸の中のふくらみとして観察される。この段階では、ラミニンは肝芽細胞を含めた腹側原腸を連続した一枚の膜として囲んでいた。興味深いことに、肝芽細胞が中隔へ侵入し、形態学的に肝芽を作る段階では、肝芽の部位のラミニンが不連続となり、その間を縫うようにして肝芽細胞が中隔へ侵入していた。一方で、血管内皮細胞を周囲に持たない、十二指腸や胃の原器の周囲では、このラミニンの膜は変化を認めなかった。この事より、血管内皮細胞がECM分解酵素の分泌を通じ、ラミニンを含めた基底膜を破壊し、肝芽細胞が中隔へ侵入しやすくしていることが示唆された。そこで肝芽をinvitroで培養し、蛋白分解酵素阻害剤による影響を観察した。すると、Cystein e protease阻害剤で処理をした場合、対照群と比べ肝細胞の成長が特異的に阻害された。そこで、現在は、種々のCypの肝発生初期における局在をirnositu法や、免疫染色法で検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Noboru Mitsuhasi: "Clinical significance of angiopoietins and Tie-2 expression in human hepatocellular carcinoma : Implication of Angiopoietin-2 in tumor angiogenesis and progression"Hepatology. (in press). (2003)
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[Publications] Masaaki Kataoka: "Effect of cold-ischemia time on C-X-C chemokine expression and neutrophil accumulation in the graft liver after orthotopic liver transplantation in rats"Transplantation. 73・11. 1730-1735 (2002)