2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌症例における末梢血樹状細胞の抗原呈示機能増強法の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
14370382
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉山 保幸 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90211309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 成敏 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80334944)
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Keywords | 樹状細胞 / 抗原呈示機能 / 消化器癌 / 癌免疫療法 / 活性化リンパ球移入療法 |
Research Abstract |
平成15年度は、p53 wild typeの胃癌細胞(MKN-45)を低用量CDDP、5-FUで処理して得られる腫瘍抗原、あるいはp53が欠失している胃癌細胞(KATO-III)を凍結融解処理して得られる抗原が、樹状細胞の抗原呈示機能を増強して特異的免疫応答を惹起することが判明した。平成16年度は、このメカニズムをさらに詳細に検討するために、癌細胞のアポトーシス誘導に関連した研究を行った。すなわち、核の断片化によるアポトーシスの程度を示す指標と考えられているsub G1量をフローサイトメトリーにて解析したところ、MKN-45では5-FU・CDDP処理の場合の方が、KATO-IIIでは凍結・融解処理の方がsub G1量は多かったことから、自己腫瘍細胞に対する細胞傷害活性は、樹状細胞パルスに用いる腫瘍抗原のsub G1量の多寡に影響を受ける可能性が判明した。また、p53 mutant typeの胃癌株MKN-28にp53をtransfectしておいてから5-FUとCDDPを作用させたところ、アポトーシス陽性細胞は親株と比べて有意に増加した。さらに、低用量CDDP、5-FUで処理した場合の、誘導されるアポトーシスの程度とp53の発現形式との関連を大腸癌株でも検討したところ、P53 wild typeのHCT116とCOLO320では5-FU・CDDP併用投与によって単独投与の場合よりも相乗的にアポトーシスが誘導されたが、p53 mutant typeのSW480の場合には各々の薬剤を単独で作用させた場合とほぼ同様であった。一方、低用量CDDP、5-FUでMKN-45あるいはMKN-28を処理した場合のアポトーシス関連遺伝子の発現変化をマイクロアレイを用いて解析した結果、共通してup-regurateされたのはjun B、down-regulateされたのはFAS-associated via deatb domain(FADD)であり、MKN-45に特徴的にup-regulateされたものはcaspase 3、prefoldinであった。
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Research Products
(1 results)