2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370384
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中辻 憲夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80237312)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
|
Keywords | ヒト肝幹細胞 / 間葉系細胞 / 肝幹細胞特異的表面抗原 / 分化誘導 / サブクローニング |
Research Abstract |
我々はマウス成体肝より肝幹細胞を同定・分離し、さらに肝幹細胞特異的な細胞表面抗原となりうる遺伝子を同定しつつある。その中には既知の遺伝子の他に未知の遺伝子配列が含まれており、これらの遺伝子が肝幹細胞特異的マーカーとして利用可能かどうかを、肝幹細胞と成熟肝細胞との間で遺伝子発現や蛋白発現を比較検討し、現在では3種類の遺伝子に絞り込みを終えた。さらに、これらマウス表面抗原のDNA配列をPCRで増幅後プラスミドにサブクローニングし、ヒトホモローグのDNA配列を検索中である。一方、ヒト成人肝組織を用いた実験では、我々が胎仔および成体マウスで確立した肝幹細胞を高効率に分離する手法を用いることで(安近ら、Hepatology,2002)(東ら、Hepatology,2003)、ヒト肝幹細胞を濃縮分離できることは確認した。しかし、ヒト手術検体においては肝硬変などを反映して、肝臓の繊維化や細胞外マトリックスが多く、マウスと同様の細胞数を獲得するに至っていない。一方、その後マウスにおける実験結果から、この手法で分離された細胞集団は既知の表面抗原を用いることで肝幹細胞のみならず、いくつかの集団に分類されることが確認され、その細胞集団の内でThy1陽性の間葉系細胞と考えられる細胞集団は、CD49f陽性の肝幹細胞の分化・成熟化に重要な役割を果たすことを解明した(北方ら、Hepatology,2004,inpress)。このため、ヒトにおいても分離した肝幹細胞をin vitroにおいて成熟肝細胞へと分化誘導する際には同様の間葉系細胞との共培養や、リコンビナント蛋白が必要となることが考えられ、今後の課題としては、この間葉系細胞の分離および特性解析、マウスにおける肝幹細胞特異的表面抗原の特定、および成熟肝細胞への分化誘導がある。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Yasuchika K, et al.: "Establishment of a highly efficient gene transfer system for mouse fetal hepatic progenitor cells"Hepatology. 36(6). 1488-1497 (2002)
-
[Publications] Azuma, H, et al.: "Enrichment of hepatic progenitor cells from adult mouse liver"Hepatology. 37(6). 1385-1394 (2003)
-
[Publications] Hoppo, T, et al.: "Thy1- positive mesenchymal cells promote the maturation of CD49f-positive hepatic progenitor cells in the mouse fetal liver"Hepatology. (In press). (2004)