2004 Fiscal Year Annual Research Report
食道正常上皮細胞・食道上皮幹細胞を軸に展開する食道発癌と分化誘導療法の基礎的研究
Project/Area Number |
14370385
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 剛 京都大学, 医学研究科, 助手 (50293866)
安本 茂 神奈川県立がんセンター臨床研究所, 研究所長
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Keywords | 正常食道上 / 食道上皮幹細胞 / p75 / 癌幹細胞 / 癌抑制遺伝子 / メチル化 / PGE2 / FHIT |
Research Abstract |
食道幹細胞と食道癌幹細胞 1.Dysplasiaから早期癌への経過の観察からp75陽性細胞またはp75陽性細胞から1段階分化した細胞から癌化することが明らかとなった。(投稿中)2.進行癌においてもp75陽性細胞は種々の割合で癌に混在した。3.p75陽性細胞の予後はp75陰性細胞に比し良好であり、その原因としてリンパ節転移が少ないことが上げられた。4.しかしながら、癌細胞株ではp75陽性細胞は増殖が早く大きなコロニーを形成した。5.p75に対するSiRNAの投与で食道癌細胞株の増殖が著明に抑制された。6.Dil label retaining cellは必ずしもp75陽性細胞に一致しなかった。 ニコチンと癌抑制遺伝子 1.正常食道上皮細胞に対するニコチンの接触で、癌抑制遺伝子FHITのメチル化と蛋白発現減弱が起こり、ニコチンを排除すると、このメチル化が元に復帰し、蛋白発現も元に復することが判明した。2.この反応にはメチル化酵素であるDNMT1とDNMT3aが関与していた。長期ニコチン接触ではニコチン接触を中止してから遺伝子のタンパク発現復帰までより多くの時間を要した。3.したがって食道癌発癌防止には出来るだけ早期禁煙が不可欠と考えられた。4.この反応は短期ではメチル化される遺伝子として知られているp16をメチル化しなかった。このことはFHITがp16に比し、ニコチンに感受性が高いことが示唆された。 アニマルフリー培養液 1.BSEによる正常細胞培養液の入手不足が生じ、アニマルフリーの培養液を検討しているが、まだ最適な培養液は見つかっていない。
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Research Products
(6 results)