2003 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍のハイパーサーミアにおける三次元温度分布シミュレーションシステムの開発
Project/Area Number |
14370427
|
Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 英明 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70236305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 龍也 新潟大学, 脳研究所, 講師 (20323991)
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
|
Keywords | 悪性脳腫瘍 / ハイパーサミア / シミュレーション / 温度分布 / RF / 二次元有限要素解析法 / 組織内加温 |
Research Abstract |
我々は独自に開発した二次元有限要素解析法による二次元温度分布シミュレーションソフトウェアを用い、組織内加温の治療計画や二次元での温度分布把握を行いつつ、今回の研究では三次元的な温度分布シミュレーションに対して検討を重ねた。 電磁界解析ソフトウェアであるJMAG(日本総合研究所社製)を用いて、リエントラント型空胴共振器による加温の加温特性を検討した。ファントム加温における温度分布シミュレーションを行い、特に円筒の直径を変えることにより、組織内温度分布をコントロールできることがシミュレーションから示された。更に実際にファントムを加温し、光ファイバーにて測温を行い、温度分布が予測温度と極めて近似していることを確認した。またリエントラントの空胴共振器内の内円筒の長直径を変化させることにより、深部方向の加温位置およびその加温領域を制御できた。しかし、直径2cm程の脳腫瘍を想定した加温領域を得るためには、より小さい内円筒を用いた加温実験が必要と思われたが、リエントラント型空胴共振器の周波数可変装置の制約から、加温実験を実施するまでには至らなかった。 次にVitrea 2により再構築した脳腫瘍の三次元モデルを元に、JMAGを用いて脳腫瘍の三次元温度分布シミュレーションを試みた。腫瘍の大まかな三次元モデルを作成することは可能であったが、臨床応用するにはモデルとして不充分であった。Vitrea 2により再構築した三次元の脳腫瘍モデルは、脳腫瘍摘出手術前のシミュレーションとしては有用な情報を与えてくれた。 ファントム実験からはJMAGを用いた三次元温度分布予測が充分に臨床応用できる精度であることが示されたが、臨床応用する為にはやはり煩雑性が問題となった。温熱治療の効果は正確な加温にかかっており、今後治療計画としての三次元温度分布予測は必須になるものと思われる。今回の研究では二次元温度分布シミュレーションを三次元に応用するシステムの導入部が完成されたと思われる。今後更に研究を発展させ、安全な治療計画による確実な加温が悪性脳腫瘍の治療効果向上に貢献するものと期待された。
|
Research Products
(1 results)