2002 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍におけるアポトーシス関連因子操作による放射線感受性の増強
Project/Area Number |
14370429
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
岩間 亨 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20303498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 紳一 岐阜大学, 医学部, 助手 (40240353)
篠田 淳 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50273131)
坂井 昇 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021487)
坂野 喜子 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50116852)
中島 茂 岐阜大学, 医学部, 教授 (60188935)
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Keywords | 放射線 / ヒト悪性膠腫 / セラミド / caspase-3 / アポトーシス / p53 |
Research Abstract |
放射線照射はヒト悪性膠腫に対し有効な治療であると。しかし、放射線照射によるヒト悪性膠腫細胞の細胞死のメカニズムは必ずしも明らかではない。そこで我々は、ヒト悪性膠腫細胞でp53の関与の有無、アポトーシスに関連する脂質であるセラミド、およびアポトーシスを実行するcaspas-3の活性化を検討した。放射線照射後にはヘキスト33258により核を染色し典型的なアポトーシスにおいて認められる細胞体の収縮、核の凝縮および分割が著明となり、核の形態変化は25Gyの放射線照射の72時間後に観察された。mutant type p53を持つU-373膠腫細胞はwild type p53を持つU-87膠腫細胞と比較しアポトーシスの感受性が高い。また、ヒトパピローマウイルスwild E6を導入することでp53の機能を失活させたU87-Wild E6細胞を用いてもベクターのみの細胞と比較しアポトーシスを起こし易く、放射線照射によるアポトーシスはp53により阻害された。caspase-3の活性化をウェスタンブロットとpeptide substrate、(DEVD-AMC)の分解活性の増加によって評価したところアポトーシスの程度に比例してcaspas-3の活性化が増強した。一方、広範囲のcaspaseの抑制剤であるZ-VAD FMKは、膠腫細胞の放射線による細胞死を抑制した。細胞内のセラミドは放射線照射の後に48時間から明らかに増加し、72時間後に最も増加した。セラミドglycosyltransferase-1の抑制剤D-threo-phenyl-2-decanoylamino-3-morpoholino-1-propanol (PDMP)により細胞内にセラミドを蓄積させるとアポトーシス細胞は増加した。これらの結果は、放射線照射によって引き起こされたヒト神経膠腫細胞のアポトーシスにおいてセラミドが重要な役割を果たすことを示唆している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Iwama T, et al.: "Cerebral hemodynamic parameters for patients with neurological improvements after extra cranial-ineracranial arterial bypass surgery : evaluation using positron emission tomography"Neurosurgery. 48. 504-512 (2001)
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[Publications] Okumura A, Iwama T, et al.: "The clinical utility of contrast-enhanced 3D MR angiography for cerebrovascular disease"Neurol Res.. 23. 767-771 (2001)