2002 Fiscal Year Annual Research Report
サルES細胞からのドーパミン神経誘導およびサルパーキンソンモデルへの移植
Project/Area Number |
14370431
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 淳 京都大学, 医学研究科, 助手 (10270779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 芳樹 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (20283616)
中辻 憲夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80237312)
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Keywords | ES細胞 / パーキンソン病 / 細胞移植 / ドーパミン作動性ニューロン |
Research Abstract |
1)マウスES細胞からのドーパミン作動性ニューロンの誘導および移植 PA6細胞(骨髄由来のフィーダー)との共培養(SDIA法)によりマウスES細胞からドーパミン作動性ニューロンと思われるチロシン水酸化酵素(TH)陽性細胞が多数分化誘導された。移植条件最適化のために共培養の日数を振ってパーキンソン病モデルマウスの脳(線条体)に移植したところ、共培養日数が12日のときに最も多くのTH陽性細胞が得られた。In vitroでの解析により12日から14日の間にTH陽性細胞が増えることが明らかになり、完全に分化成熟した細胞よりも未熟な前駆細胞を移植したほうが、TH細胞陽性率が高いと考えられた。また、ES細胞は塊のまま(colony)移植していたがこれを分散して(suspension)移植したところ、細胞の生着はほとんどみられなかった。分散による機械的ダメージによりとくにTH陽性細胞が死滅することがその理由と考えられた。以上の結果はJournal of Neuroscience Research誌において報告した。 2)サルES細胞からのドーパミン作動性ニューロンの誘導および移植 マウス細胞の場合と同様にSDIA法でサルES細胞からドーパミン作動性ニューロンを分化誘導した。PA6上で14日間共培養したのちneurosphereとしてさらに7日間培養。MPTP静注によって作製したパーキンソン病モデルカニクイザルの線条体にこれら分化誘導後のES細胞を移植した。免疫抑制を行いながら行動をスコア化しながら経過観察を行ったところ、移植群において有意な行動の改善が認められた。fluorodopaによるPET studyを行ったところ18F-dopaの取り込みが確認され、脳断片の免疫染色でもTH陽性細胞の生着が認められた。以上の結果は現在投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)