2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工下垂体の開発〜下垂体移植への高分子化合物ゲルの応用〜
Project/Area Number |
14370435
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
栗栖 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70201473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 篤 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60274049)
迫原 修司 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80108232)
飯沢 孝治 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60130902)
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Keywords | 下垂体 / 高分子化合物ゲル / 下垂体ホルモン / 前葉 / 視床下部ホルモン / 分画分子量 / HEAゲル / 成長ホルモン |
Research Abstract |
成体ウイスターラットから下垂体を摘出し、下垂体前葉を各ホルモン産生細胞(GH, TSH, ACTH, LH, RH, PRL)にFACS vantageを用いて無菌的に分離し、それらを個々に培養、維持し、増殖させる方法についての検討を行った。高分子化合物ゲルのホルモン透過のデータを得るためにACTH腫瘍cell lineであるAtT-20、成長ホルモン産生腫瘍cell lineであるGH3の細胞培養を行い、ホルモン分泌能の検討と視床下部ホルモン負荷による分泌動態をELISA法にて検討し、in vitroではGHの分画分子量として、0.1um以上の孔の大きさが必要であることが判明した。また,GH産生細胞をIsopore disc Polycarbonate hydrophilic Durapore filter(pore size 0.05um,0.1um,0.2um,0.4um)に封入し,ラット腹腔内またはラット皮下に移植して,体重と尾長の推移を経時的に検討した.また,移植後3ヵ月後の移植カプセルのGH分泌能をin vivoにて検討し,さらに摘出後のマイクロカプセルのホルモン分泌能を検討した.その結果として、3ヶ月後でもマイクロカプセルがGHを分泌しており、viabilityが保たれていることを証明した。また、生体からの免疫防御のためには0.2um以下の孔の大きさが適当であることが判明した。しかし、GRFに対する反応性は0.4umでも不十分であった。GRFはGHよりも分子量が小さいことから、拡散とカプセル内への進入や吸着の問題の可能性が示唆され、視床下部ホルモンに対する反応性の検討を継続中である。また、マイクロカプセルの材質の開発として、HEAゲルを用いた新規カプセルの作成について検討し、放出実験、濃縮実験を行いつつ,マイクロカプセルの開発を継続中である. また、下垂体腫瘍,傍鞍部発生のMRIのdiffusion weighted imageとapparent diffusion coefficientについての検討と、MR spectroscopyについての検討、dynamic imagingの検討を行い、下垂体腫瘍と頭蓋咽頭腫、髄膜種など傍鞍部腫瘍の鑑別診断について、それぞれ有用性を証明した。さらにGH産生下垂体選手の治療法についての検討と、経蝶形骨洞下垂体手術についての臨床的検討を行った。また、ラトケ嚢胞とホルモン分泌障害について臨床的に検討した。
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Research Products
(4 results)