2003 Fiscal Year Annual Research Report
治療抵抗性を示す悪性グリオーマの分子背景とその克服に関する基礎的検討
Project/Area Number |
14370438
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐谷 秀行 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80264282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三森 龍之 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (00117384)
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Keywords | 脳腫瘍 / 抗癌剤 / DNA損傷 / チェックポイント / 細胞分裂 / 分裂期崩壊 / 薬剤抵抗件 / 癌 |
Research Abstract |
悪性グリオーマ、特にグリオブラストーマの予後は診断・治療技術の向上にもかかわらず依然として改善せず、その原因は腫瘍細胞の増殖能と強い浸潤能、そして放射線や化学治療への抵抗性にあると考えられる。最近の細胞生物学的及び分子生物学的知識の蓄積により、細胞周期制御機構の異常が治療抵抗性を決定する重要な要因となっていることが明らかになりつつある。多くの抗癌剤や放射線による抗腫瘍治療は、癌細胞がチェックポイントに障害を持つという性質を期せずして利用したものであることが分かってきた。本研究は、癌細胞のG2-M期チェックポイント機能とその破綻による細胞死誘導機構を解析し、従来の治療に抵抗性を示す悪性グリオーマに対して特異的かつ効果的な新戦略を考案するための基礎的検討を行うことを目的として行った。初年度の研究では、G2チェックポイント機能が低下した細胞にDNAダメージを与えると、G2チェックポイントを乗り越えて分裂期に入り、10時間〜20時間metaphaseのままで停止した後、崩壊する現象(分裂期崩壊)をタイムラプス顕微鏡によって観察することが出来た。また、この分裂期崩壊過程は分裂期チェックポイント機能に依存することが明らかになった。つまり、腫瘍細胞はG2チェックポイント異常があることによって抗癌剤で細胞死が誘導されるが、逆に更に遺伝子異常が進んでMチェックポイントに異常が生じると、死ななくなることが明らかになり、薬剤に対する抵抗性獲得の新たな機序が分かった。 以上のようにMチェックポイントに異常がある腫瘍では治療への抵抗性が生ずると考えられ、それら難治性の腫瘍に対する対策について本年度は研究を行った。中心体分離を薬剤やRNAiによって阻害するとMチェックポイントが障害を受けている細胞でも細胞分裂が起こるのを防ぐことができた。この処理を行うと、正常細胞は4Nで停止したが、がん細胞では8N、16N細胞が増加しやがて死滅した。本研究により、中心体分離の阻害は悪性腫瘍細胞の治療に有効である可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hirota, T. et al.: "Aurora-A and an interacting activator, the LIM protein Ajuba, are required for mitotic commitment in human cells"Cell. 114. 585-598 (2003)
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[Publications] Marumoto, T. et al.: "Aurora-A kinase maintains the fidelity of early and late mitotic events in HeLa cells"J Biol Chem. 278. 51786-51795 (2003)
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[Publications] Kunitoku, N. et al.: "Aurora-A-dependent phosphorylation of CENP-A in prophase is essential for concentration of Aurora-B at inner centromeres and for kinetochore function"Dev Cell. 5. 853-864 (2003)
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[Publications] Murakami, D., et al.: "Presenilin-dependent g-secretase activity mediates the intramembranous cleavage of CD44"Oncogene. 22. 1511-1516 (2003)
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[Publications] Iida, S., et al.: "The tumor suppressor WARTS ensures genomic integrity by regulating both mitotic progression and G_1 tetraploidy checkpoint function"Oncogene. (印刷中). (2004)
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[Publications] Honda, S. et al.: "Activation of m-calpain is required for chromosome alignment on the metaphase plate during mitosis"J Biol Chem. (印刷中). (2004)