2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370439
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
倉津 純一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20145296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新納 正毅 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30172612)
竹島 秀雄 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70244134)
平野 宏文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30359963)
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Keywords | グリオーマ / インテグリン / PTEN / ドコサヘキサエンサン / アポトーシス / c-kit / 胚細胞腫 |
Research Abstract |
1.Integrin-linked kinase (ILK)は腫瘍細胞の悪性化に関与する分子であるが、グリオーマ細胞でILKの発現と活性が増加し、とくに癌抑制遺伝子の一つであるPTEN遺伝子発現のない細胞に高い活性を示すことを明らかにした。この細胞にPTEN遺伝子を導入するとアポトシース活性が上昇し、さらにILKの局在が変化し、PKB/Akt kinase活性が抑制された。このことからILKがPTEN遺伝子欠損グリオーマ細胞の増殖に重要な役割を演じていると思われることから、ILK抑制剤であるCOX-2抑制剤NS-398によりPTEN遺伝子欠損グリオーマ細胞の増殖が抑制されることを明らかにした。 2.壊死組織の存在とマクロファージの浸潤は膠芽腫における組織学的特徴の一つであるが、この壊死組織内に遊離ドコサヘキサエンサン(DHA)が存在することを明らかにした。しかもDHAによりマクロファージの抗腫瘍活性が抑制され、アポトーシスに陥ることを明らかにした。このことからグリオーマ局所の壊死組織に含まれるDHAが局所浸潤したマクロファージによる腫瘍免疫からグリオーマ細胞を回避させていると思われる。 3.ヒト胚細胞腫においてc-kit分子が発現し、特に胚芽腫成分において特異的に発現していることを見出し、さらにその可溶型分子(膜貫通ドメインにて分解され産生される)s-kitが髄液中に存在し、その濃度が臨床経過と相関することを見出した。
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Research Products
(5 results)