2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370441
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
寶金 清博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90229146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時野 隆至 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40202197)
多田 光宏 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10241316)
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Keywords | もやもや病 / 遺伝子解析 / サイトカイン |
Research Abstract |
年度当初の計画に沿って、以下の研究を行った。 1)もやもや病患者の脳脊髄液中のサイトカイン測定 すでに報告してきたようにもやもや病患者の脳脊髄液では、コントロール群と比べ、basic FGFの増加が見られる。本年度は、さらに、HGF(Hepatocyte growth factor、血管新生能の点で、臨床的にも注目されている)の測定を追加した。その結果、もやもや病患者の脳脊髄液中では、HGFの増加が見られ、また、患者の頭皮動脈(浅側頭動脈)においてもHGFが発現していることが示された。これを英文誌(Stroke 35:2837-2842,2004)に発表した。また、Angiopoietin 1の測定も行ったが、これは、もやもや病患者では、必ずしも増加していないが、手術後、有意な増加を示すことが判明した。 2)新治療法の検討 当初、angiopoietinの導入による血管新生を試みたが、Placental growth factor (PLGF)遺伝子を培養骨髄幹細胞に導入する方が、効率的な血管新生誘導が可能と考え、疫抑制下の虚血モデル(ラット中大脳動脈閉塞モデル)へ移植し、血管新生および脳梗塞巣を組織学的に検討した。その結果、PLGF骨髄幹細胞は、ホスト脳梗塞巣および周囲組織に集積し、血管新生を誘導するとともに、脳梗塞巣を縮小させ、また、神経組織の再構築を構築することが確認された。また、脳梗塞後の神経幹細胞移植による機能回復を行動学的に解析した結果、運動機能の回復が認められた。 この血管新生誘導治療法は、間接的血行再建治療を確実にする、極めて臨床的有用性の高い治療法として、臨床応用が期待される。 3)高集積家系の検討と遺伝子の絞込み 今年度は、祖母、母、その子という3代にわたる発症家系が確認された。今後、さらに調査し、大きな家族内発症家系を探索する。
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Research Products
(7 results)