2005 Fiscal Year Annual Research Report
MRI非侵襲的温度計側法を用いた脳腫瘍に対する新しい温熱治療システムの創生
Project/Area Number |
14370447
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松前 光紀 東海大学, 医学部, 教授 (20209604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 輝 東海大学, 電子情報学部1, 助教授 (70205243)
継 淳 東海大学, 医学部, 講師 (30266415)
厚見 秀樹 東海大学, 医学部, 助手 (30307269)
石坂 秀夫 東海大学, 医学部, 助手 (00328113)
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Keywords | MRI / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
本プロジェクトは、(1)組織内の温度を非侵襲的にMRIで計測し、(2)腫瘍組織で熱感受性に抗腫瘍効果を発揮するターゲッティング温熱化学療法を開発し、(3)MRI内部で非侵襲的に組織の物理的要素をリアルタイムにモニターしつつ腫瘍をレーザーで安全に加温し、(4)加温された腫瘍組織において温熱療法と化学療法の相乗効果を有する低侵襲治療システムを創生する。以上を臨床応用するにあたり必要な基礎研究を行い、臨床応用への可能性を検討する。 腫瘍組織にて最も高い薬理効果を得、しかも毒性発現組織への分布を抑制し、かつ腫瘍組織の温度上昇に応じて封入された抗ガン剤を放出する、温熱感受性リポソームを開発した。網内系に取り込まれにくく血中での停滞が長期にわたり持続するステルスリポソームの開発を、in-vitroとin-vivoでの実験を繰り返しながら行った。リポソームに封入する抗ガン剤は、現在リポソームに封入される抗ガン剤として最も広く選択されるドキソルビシンを使用した。In-vitroの実験系においては、温度感受性ステルスリポソームの開発試験を行うが、具体的には37℃で封入された抗ガン剤が放出されず、しかも42℃にて放出が促されるように、リポソームの脂質組成を調整した。ステルスリポソームの処方が終了した段階で、MRI用造影剤ガドリニュームをリポソームへ封入し、大腸がん皮下移植ヌードマウスの腫瘍組織をレーザー光で加温する実験を行った。この結果、MRI装置内部でレーザー光による温度上昇に応じたガドリニュームの造影効果が確認され、さらに組織内ドキソルビシン濃度の上昇が確認され当初の目的が完結した。今後治療の長期効果を判定する実験を計画する。
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Research Products
(2 results)