2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳損傷修復効果を示すプロテオグリカン機能ドメインの同定と作用機序の解析
Project/Area Number |
14370449
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
大平 敦彦 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所・周生期学部, 部長 (20101074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時田 義人 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所・周生期学部, 研究員 (50291175)
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Keywords | NGC / プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / 神経突起伸長 / 情報伝達 / 上皮増殖因子(EGF) / 脳障害 / ADAMTS-4 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中枢神経系に特異的に発現している膜貫通型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンであるNGCの生理活性を明らかにして、それを基に脳障害の治療への新たな道を拓くことである。本年度の成果は、次の通りである。 1.NGCによる神経突起伸長促進と情報伝達機構 NGCのリコンビナント細胞外ドメイン(NGC_<ECTO>)は、ラット胎仔大脳新皮質由来初代培養神経細胞の神経突起伸長を著しく促進する。そこで、種々のキナーゼ阻害剤を用いて、NGCによる神経突起伸長促進に関わる情報経路を調べた。その結果、IP3キナーゼおよびCキナーゼ(PKC)の阻害剤が、NGCによる神経突起伸長を抑制した。この2つのキナーゼを含む情報経路が、NGCの情報伝達に関わっているものと思われる。 2.新規EGFファミリー分子としてのNGC NGCは、細胞外に1個の上皮増殖因子(EGF)様領域(NGC_<EGF>)を持つ。大腸菌で発現させたNGC_<EGF>を、4つのEGF受容体(ErbB1〜B4)すべてを持つ乳癌細胞に作用させたところ、その増殖を促進した。このとき、ErbB2とErbB3のチロシンリン酸化が増強されていた。また、NGC_<EGF>はErbB3とのみ結合することが明らかとなった(愛媛大学・東山繁樹教授と共同研究)。これらより、NGC_<EGF>はErbB3と特異的に結合し、ErbB2/B3会合体を介して細胞内へ情報を伝達しているものと思われる。 3.NGC_<EGF>の切り出しに関わる蛋白分解酵素の検索 NGC_<ECTO>に種々の生理活性が検出されたことから、NGC_<ECTO>を切り出す機構の解明が必要となった。NGCには、プロテアーゼADAMTS-4による切断配列があり、実際NGCはこの酵素の基質となりうることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)