2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症-新しい骨梁構造解析による易骨折度の予測-
Project/Area Number |
14370450
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 靖久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20179790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 不二夫 東北大学, 大学病院, 助手 (00312588)
日向野 修一 東北大学, 大学病院, 助手 (20173148)
岩本 正敏 東北学院大学, 工学部, 助教授 (40128955)
東 由明 帝人株式会社, 生物医学総合研究所, 課長(研究職)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨梁構造 / Voronoi分割 / 骨強度 / 画像解析 / 脊椎 |
Research Abstract |
平成16年度に次の4つを実施した。1.腰椎の骨梁構造解析および骨強度の予測に使用する材料の採取:ヒト腰椎のT12〜L3椎体を剖検屍体から採取した(12体分、総計48椎体、死亡時年齢19〜91歳)。この結果、平成14年度からの採取標本が総計で、27体分、108椎体となった。採取した標本から軟部および椎間板組織を除去した後に、X線撮影し、縦・横の径、体積といった形状を計測して、液体窒素に保存した。2.マイクロCTによる骨梁構造の解析:高分解能X線CT装置を使用して、ヒト腰椎標本における骨梁構造の解析のための画像解析プログラムを新たに作成した。これは、平成15年度に開発したアルゴリズムを解析項目を加えるために改変したものである。その結果、ヒト腰椎の大標本において、非侵襲的に骨梁中心のVoronoi分割(Voronoi図の作成)による画像解析が可能となり、次の項目が解析できるようになった。(1)海綿骨骨梁の周囲長、(2)海綿骨骨梁の平均骨梁幅、(3)骨密度、(4)Trabecular domain factor=(SD/m)x100,m={Σ[(Sdi/Di)x100]}/Nd,SD^2={Σ[(Sdi/Di)x100-M]^2}/Ndの計算。3.高分解能X線CT装置による画像解析結果と組織学的形態計測による解析結果との比較検討:CT装置によるTDFの解析結果が従来の計測方法と比べて差が無いことを知るために、5体分、5椎体を用いて両者の解析結果を比較した。その結果、統計学的に有意の相関が見られた。4.CT装置によるTDFと他の項目の解析結果からヒト腰椎椎体の骨梁構造を解析して次の知見を得た。(1)腰権椎体を中心部と辺縁部に分画すると、中心部で力学的強度の弱い骨梁構造を呈する。(2)同一屍体標本例でも、高位別でTDFを指標にした力学的強度に差がみられる。すなわち易骨折度に差がある。
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