2004 Fiscal Year Annual Research Report
単一受容体ではなく脳内ノルアドレナリン神経網による全身麻酔機序の一元化
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14370480
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
廣田 和美 弘前大学, 医学部, 教授 (20238413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 美穂子 弘前大学, 医学部, 助手 (30003411)
櫛方 哲也 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (80250603)
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Keywords | オレキシン / α_2-アドレナリン受容体 / OX1受容体 / 大脳皮質スライス / ラット / ノルエピネフリン |
Research Abstract |
平成15年度と同様に、Wistar系ラットを実験動物とし、大脳皮質スライスを作成して研究した。 1.オレキシン(OX)Aによる選択的ノルアドレナリン(NA)放出に対するα_2受容体作動薬の効果 デクスメデトミジンは単独で大脳皮質からのNA放出を促進したため、OX-Aとの相互作用は検討しなかった。また、OX-A 10^<-7>MによるNA放出に対し、α_2受容体作動薬クロニジンはまったく抑制しなかったのに対し、OX1拮抗薬SB-334867は濃度依存的に抑制した(pIC_<50>:6.05±0.14、I_<max>:86.4±5.4%)。 2.高K^+による非選択的ノルアドレナリン(NA)放出に対するα_2受容体作動薬の効果 高K^+によるNA放出に対し、SB-334867は抑制しなかったのに対し、クロニジンは有意に抑制した(pIC_<50>:6.44±0.38、I_<max>:48.8±6.9%)。また、クロニジン(1μM)によるNE放出抑制は、α_2受容体拮抗薬ヨヒンビンにより拮抗された(pIC_<50>:6.50±0.34、I_<max>:77.6±10.9%)が、OX-Aは拮抗しなかった。 以上より、大脳皮質においてはOX神経系とα_2受容体との間の相互作用は無いと考えられた。 3.デクスメデトメジンによるノルアドレナリン(NA)放出機序に関する検討 デクスメデトミジンは単独で大脳皮質からNA放出を濃度依存的に促進した(pEC_<50>:6.12±0.07、E_<max>:377.3±8.6%)。しかし、α_2受容体拮抗薬ヨヒンビン(10μM)存在下でもpEC_<50>およびE_<max>は変化しなかったのに対し、OX1拮抗薬SB-334867は濃度依存的に抑制した(pIC_<50>:5.99±0.18、I_<max>:91.0±9.4%)。さらに、大脳皮質スライスからのOX-A放出量も測定したが変化は認められず、デクスメデトミジンによるNA放出はOX-A放出に伴う二次的なものではなく、直接OX1受容体を刺激した結果である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)