2005 Fiscal Year Annual Research Report
S(+)-ketamineの循環制御に対する作用選択性の検討
Project/Area Number |
14370493
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西川 精宣 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20145791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 隆 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00336786)
狩谷 伸享 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20305642)
池下 和敏 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20288898)
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Keywords | 光学異性体 / S(+)-ketamine / 交感神経活動 / イオンチャンネル / 灌流心 / ATP |
Research Abstract |
本研究の目的は、racemic ketamineと比べて強い鎮痛作用、睡眠作用を持つS(+)-ketamineの硬膜外投与と全身麻酔薬を同時投与した場合の循環に対する作用の機序を解明することである。 Whole animal study(ウサギ)で1%(0.5MAC)イソフルレン麻酔下にracemic ketamine, S(+)-ketamineを0.5mg/kgおよび1.0mg/kg下胸部硬膜外投与すると、ともに動脈圧、心拍数、腎交感神経活動は有意に低下したが、この投与量の範囲では用量依存性も異性体特異性も支持する結果は得られなかった。また、Muscarine M2受容体やNOの関与も否定的であった。ウサギ定流量ランゲンドルフ標本でracemic ketamineとS(+)-ketamineのdose-response curveを作成した結果では、IC_<50>はともに300μM前後の高濃度であり、2剤間で有意差を認めなかった。両者が持つナトリウムチャンネルの遮断作用が高濃度で神経周囲に分布したため差が出なかった可能性がある。 当初、脊髄の中間質外側細胞柱の細胞を培養してパッチクランプ法で検討する予定であったが、培養が困難であった。そこで、継代培養したラットのmicroglia cellを用いたPatch clamp studyでの実験を施行したところ、イオンチャンネル型ATP受容体のP2X7受容体の電流に対しては、臨床濃度のチオペンタールでは増強作用があったが、臨床濃度(100μM)のケタミンでは有意な作用を示さなかった。一方,プリン受容体の伝達物質であるATPは交感神経節や交感神経終末でのノルエピネフリン等との相互作用は良く知られている。しかし、脊髄の交感神経伝達機構での作用は不明である。最近、高感度でリアルタイムに組織のATP濃度を測定できるセンサーが開発されたので、これを用いて低酸素刺激などの神経障害誘発で脊髄のATP濃度増加と交感神経活動の変化を測定し、S(+)-ketamineとracemic ketamineの作用の検討を行い始めたところである。
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Research Products
(4 results)