2004 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の再燃に関わる機能分子のプロテオミクス解析による同定と診断・治療への応用
Project/Area Number |
14370517
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
窪田 吉信 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10106312)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 博司 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50244439)
矢尾 正祐 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00260787)
平野 久 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (00275075)
|
Keywords | 前立腺癌 / 再燃前立腺癌 / プロテオミクス / アンギオテンシンII受容体 / アンドロゲン受容体 |
Research Abstract |
本研究では、前立腺癌におけるホルモン依存性の喪失機序として再燃癌の病態にプロテオミクス解析の手法の応用を試みた。前立腺癌の増殖に関わる重要分子であるチロシンキナーゼ型増殖因子受容体、アンドロゲン受容体共役因子等について解析を行った。 今までにアンドロゲン依存性前立腺癌細胞LNCapとアンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞株PC-3、DU-145株より、タンパク分画を抽出し、抗チロシンキナーゼ抗体他を用い、ウェスタン法にてそれぞれ機能タンパク質を分離した。それぞれにつき、2次元電気泳動法を行い、アンドロゲン依存性LNCap細胞とアンドロゲン非依存性細胞とで異なる、泳動パターンを得た。この中で、特に注目すべきチロシンキナーゼ型増殖因子受容体の1つとして、アンギオテンシンII受容体AT1に注目し、これにつき、RT-PCR等でヒト正常前立腺組織に比して、前立腺癌組織、再燃前立腺癌組織の発現パターンを調べた。その結果、AT1受容体は前立腺組織で発現し、また、前立腺癌では強く発現することがわかった。またこの受容体のブロッカー薬剤より前立腺癌の増殖が抑えられるかどうかを調べたところ、このAT1受容体ブロッカーが、AT1からのシグナルとEGF受容体からのシグナルを両方をブロックし、これらの結果として、細胞を抑制することがわかった。 さらにこの受容体の前立腺癌における特異的な型をプロテオミクス解析を用いて分析を続けており、同定に向けて研究を進行中である。 これらの結果は本研究によりホルモン非依存性、ならびい再燃前立腺癌の新しい分子標的治療の可能性を明らかにできたものと考えている。またこれに基づく臨床応用(J.Urol.2005)が考えられ、スタートさせた。
|
Research Products
(5 results)