2004 Fiscal Year Annual Research Report
難治性精巣腫瘍における癌抑制遺伝子の解析とその治療への応用
Project/Area Number |
14370519
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 敏行 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20186993)
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (90240952)
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (10243031)
野本 剛史 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20301426)
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Keywords | 難治性精巣腫瘍 / 網膜芽細胞腫遺伝子 / プロモーター / E4TF1 / NALP7 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
シスプラチンを中心とした化学療法により進行性精巣腫瘍の約70〜80%が治癒可能となりつつある。しかしその20〜30%は化学療法抵抗性であり、そのような難治性精巣腫瘍の治療が精巣腫瘍の治療において、最も大きな課題となっている。 細胞の癌化のシグナルは最終的に癌抑制遺伝子であるp53-RB経路に集約されることが明らかにされてきた。精巣腫瘍においてはほとんど全ての症例でRBタンパクおよびmRNAの著明な発現低下が認められ、プロモーターレベルでの発現低下が示唆されている。私達はRB遺伝子プロモーターの長年にわたる解析により、RBプロモーターの活性化部位はE4TF1とATF部位の二ヵ所であることを明らかにしている。そこでRB遺伝子の発現低下機序の解明と、p53-RB経路を活性化する薬剤を同定することにより、難治性精巣腫瘍に対する新しい治療法を開発することを最終目標とし研究を進めてきた。 現在までに我々はRB遺伝子の発現低下機序の解明においてはプロモーターレベルで発現低下していることを明らかとし、その責任部位がE4TF1結合部位であることを報告した(Oncol Rep, in press)。また精巣腫瘍の新しい診断マーカーや治療の標的分子を同定する目的でcDNAマイクロアレイを施行し、精巣腫瘍において発現上昇している種々の遺伝子を同定した(Int J Oncol. 2003)。さらにこれらの候補遺伝子のなかでNALP7が精巣腫瘍細胞の増殖に関係し、分子標的治療の新しいターゲットとなり得ることを示した(Cancer Sci,2004)。
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Research Products
(6 results)