2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト子宮内膜における幹細胞の存在証明と子宮内膜発生・分化機構の解明
Project/Area Number |
14370522
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 節 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20240666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 隆弘 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10343055)
寺田 幸弘 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (10260431)
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Keywords | 子宮内膜症 / クロナリティ / レーザーマイクロダイゼクション |
Research Abstract |
【目的】子宮内膜幹細胞が異所性に生着することが、子宮内膜症の病因となるか否かを検討するため、Laser Microdissectionによる子宮内膜症腹膜病変のクロナリティー解析を行った。 【方法】同意を得た子宮内膜症の患者より手術時に色素性腹膜病変を摘出しホルマリン固定、パラフィン包埋切片を作製した。17人の腹膜病変より摘出した23検体のうち、異所性内膜腺を認めた10検体につき、内膜腺のみをLaser Microdissectionにより分離し、DNAを抽出、PGK(phosphoglycerate kinase)geneとAR(androgen receptor)geneの二つの異なる検出系により解析した。 【結果】10検体中9検体の解析が可能であった。PGK geneについてHeteroは4検体、AR geneについてHeteroは7検体であり、解析可能だった腺管数はPGKで9、ARで18であった。ひとつの腺管はPGK、ARともにすべてmonoclonalであったが、4検体において同じ検体中の隣り合う腺管でclonalityは異なっていた。また、PGK gene assayおよびAR gene assayの両者において結果に乖離はみられなかった。 【結論】以上の結果から、子宮内膜症病変のうち卵巣チョコレート嚢胞はモノクローナルな増殖を示すことが知られ、腫瘍としての性格を表すものと考えられているが、腹膜病変に関しては、卵巣チョコレート嚢胞とは異なり子宮内膜症腹膜病変は多数の前駆細胞から発生すると考えられた。
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