2002 Fiscal Year Annual Research Report
着床機構の分子生物学的研究-胚と子宮内膜とのクロストークに着目して
Project/Area Number |
14370530
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高倉 賢二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10221350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
由良 茂夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (60335289)
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Keywords | 子宮内膜間質細胞 / 子宮内膜上皮細胞 / 脱落膜化 / 胚 / 着床 |
Research Abstract |
1.胚によって子宮内膜に誘導される遺伝子群の発現の検討 イ)子宮内膜間質細胞(ESC)と胚盤胞の共培養実験系 ESCの回収:生後28日令ICR雌マウスより子宮を摘出し、我々が確立した方法(Kimura F., al., Gynecol Endocrinol 15:426,2001)に従ってESCを回収(6×10*5/匹)した。抗ビメンチン、抗サイトケラチン免疫染色による純度検定によりESCの純度は96%以上であることを確認した。 胚との共培養、total RNAの回収:24wellプレートに1.5×10*5/wellでESCを撒き、4日後にCell Insert内に5個のマウス胚盤胞を入れて、胚から出される液性因子の影響をみるためESCと6日間共培養を続けた。培養終了後ESCからtotal RNAをRNeasy mini kit (QIAGEN)を用いて抽出した。prolactin(PRL)、decidual/trophoblastic prolactin related protein(d/t PRP)についてRT-PCRを行ったところ、PRL、d/t PRPともに、胚と共培養した間質細胞で発現が増強している傾向が示された。10,012遺伝子のオリゴプローブを搭載したマイクロアレイチップを用いて、胚により誘導が亢進あるいは減弱する遺伝子群を解析中である。 ロ)子宮内膜上皮(EEC)およびESCと胚盤胞の共培養実験系 EECとESCとの混合培養:ESCを前記方法で分離回収後にEEC rich fractionを回収し、ESCと1対1になるように混合しcollagen type 1でコートした24wellプレートに1.5×10*5/wellで細胞を撒き培養した。抗ビメンチン、抗サイトケラチン免疫染色による検討で、培養2日後にはEEC1に対しESC2の割合となっていた。培養期間、共培養方法、total RNAの回収方法は全て前記イ)と同様に行った。イ)と同様にマイクロアレイチップを用いて、胚により誘導が亢進あるいは減弱する遺伝子群を解析中である。 2.子宮内膜脱落膜化によって子宮内膜に誘導される遺伝子群の発現の検討 イ)ESCにE2/Pを添加し脱落膜化を起こす実験系 1と同様にESCの培養を行い、培養10日目にtotal RNAの回収を行った。E2/P添加群と非添加群についてマイクロアレイを用いた遺伝子の発現解析により、E2/P添加群でCD34,integrin α2、SFRP2、IGFBP6、VEGFCなど191遺伝子の発現亢進およびSFRP1、IGF1、IL6、WNT4など87遺伝子の発現低下が認められており、現在詳細な解析を進めている。 ロ)子宮内膜上皮および間質細胞にE2/Pを添加し脱落膜化を起こす実験系 前記1-ロ)と同様にEECとESCを混合培養し、前記と同様に10日目に細胞とtotal RNAの回収を行い、E2/P添加群と非添加群についてマイクロアレイを用いた遺伝子の発現解析を行っている途上である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hua-Qin Wang, Kenji Takakura, Koichi Takabayashi, Yoichi Noda: "Mutation analysis of the mulerian-inhibiting substance gene and its receptor gene in Japanese women with polycystic ovary syndrome and premature ovarian failure"Fert Steril. 78・6. 1329-1330 (2002)