2002 Fiscal Year Annual Research Report
人為的遺伝子操作による新しい難聴遺伝子の同定・発症機序の解析と治療への応用
Project/Area Number |
14370537
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 勝久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70159614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雅明 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40261630)
美野輪 治 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, 上級研究員 (00181967)
松原 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)
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Keywords | 難聴遺伝子 / ランダムミュータジェネーシス / 聴性脳幹反応 / 蝸牛 / 有毛細胞 / 血管条 / ラセン神経節 |
Research Abstract |
日本人の核家族化、難聴の表現型の分類の困難性、外的因子による修飾などによって通常の原因遺伝子診断の方法であるポジショナルクローニング、候補遺伝子アプローチでは、難聴遺伝子の発見が困難であることが推察される。そこで、我々は全く新たな戦略法として、マウスの遺伝子にランダムに変異を起こし、難聴をスクリーニングして、遺伝子を求めるランダムミュータジェネーシス法を用いることとする。このマウスモデルの聴覚的解析から難聴の発症機序の解析も可能である。さらに、この方法で新たに発見された難聴遺伝子の変異を難聴患者でも検索し、臨床応用を展開する。 1.ランダムミュータジェネーシス法による難聴変異マウスの作成 Embryonic stem(ES)細胞に遺伝子トラップ法を用いてランダムな遺伝子変異を導入して、キメラマウスを作成した。簡易型聴性脳幹反応(ABR)によって難聴の存在をスクリーニングした。この結果、13ラインの変異マウスの56匹に難聴を認めた。平衡障害を示したマウスは存在しなかった。 2.機能解析による難聴機序の解明 a.聴覚生理学的解析 難聴の変異マウスを音刺激の周波数、音圧レベルを変化させて、より詳細なABRを測定した。軽度難聴は12匹、中等度難聴は22匹、高度難聴は32匹であった。 b.形態学的解析 40匹のマウスの側頭骨病理標本を光学顕微鏡にて観察した。その結果、コルチ器の障害は13匹、ラセン神経節の障害は9匹、血管条の障害は5匹、ラセン靭帯の障害は4匹、蓋膜2匹、所見なし22匹であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Xia, A.-P.et al.: "Late-onset hearing loss in a mouse model of DFN3"Hear Res.. 166. 150-158 (2002)
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[Publications] Watanabe K. et al.: "The expression and localization of hear oxygenase in the adult guinea pig cochlea"Brown Res.. 966. 162-166 (2003)