2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスとホメオボックス・分子モーター遺伝子解析による難聴発症機構の解明
Project/Area Number |
14370539
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
喜多村 健 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90010470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜澤 正道 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (10361700)
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Keywords | 難聴 / ホメオボックス遺伝子 / 内耳奇形マウス / 転写因子 / Scaffold protein / Six1 |
Research Abstract |
従来からの研究継続により、非症候群性遺伝性難聴症例として331家系の症例からゲノムDNAを抽出した。これらの症例から、平成15年度は、新たに難聴遺伝子としてGJB2遺伝子(in press)、WFS1遺伝子(in press)変異を同定した。また、ミトコンドリア遺伝子変異1555による難聴を聴覚検査で詳細に検索し、内耳有毛細胞の病変を想定した(Laryngoscope accepted)。難聴発症機構の解明には、難聴遺伝子により、ヒト側頭骨にどのような変化が生じるかを検討することが必要である。現在までに難聴遺伝子変異が同定されたヒト側頭骨病理研究で、信頼されるデータの報告は、わずか2編に過ぎない。この内の1編が、研究代表者が、ミトコンドリア遺伝子変異によるMELAS症例の詳細なヒト側頭骨病理として、世界で初めて報告した(Laryngoscope,2003)ものである。また、これらの病理標本の細胞レベルから、DNAを抽出して遺伝子変異を解析する研究として、レーザーキャプチャー・ダイセクションとTaqMan PCR法を用いる研究に着手した。 実験動物モデルを用いた研究では、Jackson shakerマウスの難聴原因遺伝子をポジショナルクローニング、BAC-トランスジェネシスによって単離・同定を行い、裏打ち蛋白(Scaffold protein)の1つであるSans (Scaffold protein containing ankylin repeat and SAM domain)と同定した(Hum Mol Genet 2003)。一方、SANS遺伝子は、Usher症候群IGの原因遺伝子でもあると同定された(Hum Mol Genet 2003)。さらに、ホメオボックス遺伝子のSix1が内耳発生の初期において、内耳形成のパターンを制御し、内耳発生に必須な転写因子と報告した(Development,2004)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yashima T, Noguchi Y, ishikawa K, Mizusawa H, Kitamura K: "A mutation of the EYA1 gene in patients with Branchio-oto syndrome."Acta Otolaryngologica. 123. 279-282 (2003)
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[Publications] Kikkawa Y, Shitara H, Wakana S, Kohara Y, Takada T, Okamoto M, Taya C, Kamiya K, Yoshikawa Y, Tokano H, Kitamura K, Shimizu K, Wakabayashi Y, Shiroishi T, Kominami R, Yonekawa H: "Mutations in a new scaffold protein Sans cause deafness in Jackson shaker mice."Hum Mol Genet. 12. 453-461 (2003)
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[Publications] Ozaki H, Nakamura K, Funahashi J, Ikeda K, Yamada G, Tokano H, Okamura H, Kitamura K, Muto S, Kotaki H, Sudo K, Horai R, Iwakura Y, Kawakami K: "Six1 controls patterning of the mouse otic vesicle."Development. 131. 551-562 (2004)