2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスとホメオボックス・分子モーター遺伝子解析による難聴発症機構の解明
Project/Area Number |
14370539
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
喜多村 健 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90010470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 篤信 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00280983)
古宇田 寛子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80334423)
八島 隆敏 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (50372438)
角 卓郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (20361701)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 神経科 / 脳・神経 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
本研究の目的は、遺伝子変異が明確にされている実験動物と遺伝性難聴症例を対象にして、感音難聴の発症機構を解明することにある。実験動物としては、難聴遺伝子である分子モーター遺伝子と耳の発生に関与するホメオボックス遺伝子変異マウス、レプチン遺伝子のノックアウトマウスの聴覚、内耳組織の解析を行う。さらに、遺伝性難聴症例において、これらの難聴遺伝子変異の有無を検討し、分子モーター障害による難聴発症とホメオボックス遺伝子による耳の発生・形成のメカニズムを解明する。 ヒトでは、第1鰓弓由来による外耳・中耳・内耳障害(Branchio-Oto症候群)、さらに腎障害が加わったBranchio-Oto-Renal症候群の原因遺伝子であるEYA遺伝子はホメオボックス遺伝子であるSIX1遺伝子と共同して機能することが知られている。本研究で、Six1ノックアウトマウスでは内耳の発生・分化がみられず、Six1遺伝子は内耳発生に必須であると証明した。また、本研究で、Branchio-Oto症候群において、EYA1遺伝子変異のみならず、SIX1遺伝子変異も同定された。Six1ノックアウトマウスでは内耳の発生自体が障害されるが、ヒトにおいては比較的軽微な障害である点は、遺伝子型-表現型を考慮する際に重要なデータとなる。レプチン遺伝子のノックアウトマウスは、肥満と糖尿病を発症し、野生型に比較して、難聴が早期に出現する。難聴が同定される時期において、光学顕微鏡による観察では感覚細胞、ラセン神経節、血管条の障害は観察されず、今後の研究継続により難聴発症の責任部位と遺伝子変異との関連を検索する予定である。
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Research Products
(6 results)