2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370541
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
金丸 眞一 京都大学, 医学研究科, 助手 (30324643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究科, 助教授 (70227908)
大森 孝一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10233272)
田中 信三 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90163526)
平塚 康之 京都大学, 医学研究科, 助手 (40324636)
福島 英行 財団法人田附興風会, 第4研究部, 研究員 (30144405)
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Keywords | 気管、喉頭再生 / 声帯再生 / 反回神経再生 / 末梢神経再生 / 人工神経管 / 組織工学 / 自己骨髄由来間葉系幹細胞 / 細胞移植 |
Research Abstract |
本研究課題では、組織工学的手法による気管、輪状軟骨、甲状軟骨を含む喉頭枠組み、さらには声帯とそれを支配する反回神経の再生をターゲットにしてきたが、これらのうち声帯を除く各臓器・組織は、動物実験の良好な成績を踏まえ、臨床応用段階に入った。 1)気管、輪状軟骨、甲状軟骨を含む喉頭枠組みの臨床応用 臨床応用例は4例に達し、いずれも3例が甲状腺悪性腫瘍の気管・喉頭浸潤、1例が事故後の気道狭窄である。いずれも、ポリプロピレンマレーックスメッシュをコラーゲンスポンジで被覆した人工材料で欠損部を置換した。術後、約2ヶ月で全例上皮化が完了し、形態的にも正常とほとんど変わらない状態となった。これにより、手術回数の軽減、入院期間の短縮、患者のQOLの向上に加え、十分なマージンをつけて切除できるという観点から、癌局所再発率の低下を達成できるものと思われる。 2)神経の再生の臨床応用 臨床応用成功例は反回神経で1/3例、顔面神経で2/4例、鼓索神経4/7例である。ポリグリコール酸のチューブをコラーゲンでコーティングし、その内部にコラーゲンスポンジを入れた人工神経管を用いて神経の再生を行った。これまで機能的再生が不可能とされたこれらの神経で、上記のような成功率が得られたことは、末梢神経再生の手術を根本から変革するものと思われる。現在、この人工神経管を用い3施設でパイロットスタディーを行っている段階である。 3)声帯再生 自己骨髄由来間葉系幹細胞移植による声帯の再生については、動物実験では良好な成績であるが、細胞培養の安全性が確認できる段階で、臨床応用に入る予定である。また、2005年1月倫理委員会の承認を受けて、肝細胞増殖因子による瘢痕声帯の再生の臨床応用を開始することとなった。
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Research Products
(7 results)