2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370548
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
黒野 祐一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80153427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮之原 郁代 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40305131)
牛飼 雅人 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00284886)
松根 彰志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00253899)
明石 満 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20145460)
福岩 達哉 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60325785)
|
Keywords | インフルエンザ菌 / 肺炎球菌 / ホスホリルコリン / 粘膜免疫 / 経鼻免疫 / IgA / IgG / ワクチン |
Research Abstract |
1)ホスホリルコリン(Phosphorylcholine : PC)に対する粘膜免疫応答 昨年度の研究成果で、インフルエンザ菌外膜蛋白P6に代わるワクチンとしてPCの有用性が示唆された。そこで、A群:PC単独、B群:PC+コレラトキシン(CT)、C群:KLH結合型PC、D群:KLH結合型PC+CT、の4群でマウスにおける経鼻免疫応答を観察したところ、C群とD群で他の群と比較して有意に優れたIgA応答およびIgG応答が認められた。したがって、PCは蛋白成分を有しないかつ分子量の小さいハプテンであるが、キャリアー蛋白を結合させることによってPC特異的粘膜免疫応答ならびに全身免疫応答を誘導しうる抗原になりうることが実証された。また、アジュバントとしてCTを用いずともこうした高い免疫応答が得られたことから、極めて毒性の強いCTの必要性がないこと、すなわち、PCが臨床応用への実用性を備えていることが示唆された。 2)PC免疫応答による感染予防効果 PCの経鼻免疫によって得られた唾液ならびに血清を用いて、インフルエンザ菌ならびに肺炎球菌に対する抗体活性を観察した。その結果、肺炎球菌に対しては異なる10種の株のいずれにも唾液中IgA、血清中IgG抗体がともにPC特異的抗体活性を有していた。一方、インフルエンザ菌は高い抗体活性を示す株と活性が低い株に分類された。PCの菌体表層への出現がある遺伝子によって決定されていることが最近明らかにされており、PCは肺炎球菌とインフルエンザ菌に共通した抗原であるものの、その表出の程度によって、ワクチンの効果が変化すると推測される。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 福山 聡: "NALTの形成と機能発現におけるLTとNIKの役割"耳鼻免疫アレルギー. 21(1). 15-18 (2003)
-
[Publications] 福山 聡: "上気道の生態防御機構"JHONS. 19(6). 779-782 (2003)
-
[Publications] Takaki M: "The role of nuclear factor - κB in interleukin - 8 expression by human adenoidal fibroblasts."Laryngoscope. 113(8). 1378-1385 (2003)
-
[Publications] Norimitsu Tanaka: "Immune responses of palatine tonsil against bacterial antigens."International Congress Series. 1257. 141-144 (2003)