2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370558
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
橋本 龍樹 島根大学, 医学部, 助手 (90252907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 浩 島根大学, 医学部, 教授 (20160533)
八田 稔久 島根大学, 医学部, 助教授 (20238025)
宇田川 潤 島根大学, 医学部, 助手 (10284027)
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Keywords | マウス胎児 / 水晶体 / FoxE3 / アデノウイルス / dyl / dyl |
Research Abstract |
異所性に水晶体を誘導させるため、マウス胎児表皮外胚葉へ水晶体形成に関与している転写調節因子の一つであるマウスFoxE3遺伝子を導入することを目的とした実験を本年度行った。この遺伝子は水晶体形成の初期に働き、水晶体板から水晶体胞への形成過程に関与していることが知られている。また、この遺伝子の突然変異マウスはdyl/dylと呼ばれ、小眼球症を呈している。ヒトにおいて、小眼球症や先天性白内障の原因遺伝子のひとつとして、相同遺伝子の突然変異がある事が報告されている。今年度は、FoxE3のopen reading frameへ、この遺伝子の転写調節領域とSV40 poly Aを連結させたコンストラクトを作成した。このコンストラクトをdyl/dylマウスの受精卵に導入したトランスジェニックマウスにおいては、小眼球症が改善することが確かめられている。アデノウイルスによってこの遺伝子を妊娠10.0〜11.0日に表皮外胚葉へ一過性に導入することにより、FoxE3の働きを解析できると予測された。アデノウイルスに組み込む為に全長を7k base pair以下に短くする修飾を行った後、ウイルス作成を行った。ウイルス作成・濃縮過程を経て1.06x10^<10>pfu/mlの濃縮ウイルス液を得た。濃縮ウイルス液を妊娠10.5日目のdyl/dyl胎児の羊水中に注入し、15.5日目胎児における眼球を観察した。その結果、注入した胎児の眼球では、角膜と水晶体上皮の癒着は起こっていなかったが、水晶体線維細胞の走行の乱れや水晶体内に空胞を認め、このウイルスによって水晶体の異常を改善させ得ることが推測された。
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Research Products
(6 results)