2004 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度磁気刺激法を用いた小児における仙骨神経並びに大腸運動機能解析法の確立
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14370566
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
窪田 正幸 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50205150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 實 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10251802)
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Keywords | 磁気刺激 / 高頻度磁気刺激 / 直腸肛門反射 / 恥仙骨神経 / 脳腸挿管 / ヒルシュスプルング病 / 慢性便秘 / 直腸肛門内圧検査 |
Research Abstract |
本年度はヒトにおける臨床的検討を中心に行い、高頻度磁気刺激法を用いた小児慢性下部消化管機能不全症の病態解明における有用性について検討を行った。 対象:慢性便秘20例(1ヵ月〜11歳)、ヒルシュスプルング病術前症例7例(1ヵ月〜6歳)、MMIHS症例1例(1歳) 方法:MagPro(Dantec社製)と8の字型コイルを用いて10〜15Hzの頻度で1秒間仙骨部に磁気刺激を加えた。肛門部の反応は、open tip water infusion法による内圧記録法を用いて記録した。 結果:慢性便秘20例においては、バルーン直腸拡張刺激に対し直腸肛門反射が誘発されたが、磁気刺激に対しては無反応3例、収縮とそれに続く弛緩という2相性反応を示した症例が16例、緩やかな収縮反店を示したものが1例であった。MMIHS症例では、直腸肛門反射は存在したが磁気刺激では、収縮反応のみが認められた。ヒルシュスプルング病術前7例では、直腸肛門反射は全例で消失していたが、磁気刺激に対しては収縮反応を示した症例が4例で、3例は無反応のであった。 考察:腸管運動は壁内神経系が一次的に支配し、仙骨神経系は壁内神経系に作用して二次的に腸管運動を調整していると考えられていた。今回の検討では、仙骨神経刺激に対して肛門管部の反応が出現し、仙骨神経が直腸肛門運動に作用を及ぼしていることを証明できた。また、直腸肛門反射は腸管壁内神経系を介した肛門管の神経性反射であるが、仙骨磁気刺激に対する反応が直腸肛門反射とは異なる場合が多く、異なる神経系を介して刺激しているものと考えられた。また、各疾患について見た場合、慢性便秘症例やヒルシュスプルング病術前症例では、直腸肛門反射に対する反応は同一であるものの、仙骨磁気刺激に対する反応は症例により異なり、仙骨神経の反応の違いをもとに症例を再分類し治療や病態解明などに役立つ有用な検査法である事が確認された。
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Research Products
(6 results)