2003 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫における遺伝子導入によるアポトーシス誘導の治療戦略
Project/Area Number |
14370568
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉原 平樹 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (20002157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤田 新 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員
山本 有平 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70271674)
井川 浩晴 香川大学, 医学部, 教授 (10232159)
守内 哲也 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20174394)
浜田 淳一 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (50192703)
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Keywords | 悪性黒色腫 / ケロイド由来線維芽細胞 / 表皮角化細胞 / 共培養 / アポトーシス / TGF-β / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
表皮角化細胞と悪性黒色腫細胞の共培養下において、表皮角化細胞にTGF-βの機能を制御する働きをもたせ、局所的な悪性黒色腫細胞のアポトーシス誘導を実現することで悪性黒色腫の治療に応用することを目標としてきた。しかし、ヒトの悪性黒色腫瘍株をもちいたアポトーシス誘導実験において、抗TGF-β1抗体およびFas抗体を悪性黒色腫細胞に作用させアポトーシス誘導を試みたが、満足する結果を得ることが出来なかった。悪性黒色腫細胞を細胞外のサイトカインの刺激をコントロールすることでアポトーシスに導くことは困難が予想されたため、われわれは、まずは、良性の腫瘍性皮膚疾患であるケロイド由来線維芽細胞を用いることに方針を変更した。ケロイドにおける線維芽細胞と表皮角化細胞の共培養系を確立し、まずはその相互作用を検討し、今後、共培養下における悪性腫瘍細胞の治療への応用を考えた。 ケロイドにおける線維芽細胞と表皮角化細胞の共培養系を確立した後、共培養した線維芽細胞について細胞増殖およびアポトーシスに関連するMAPKカスケードの下流に位置するERK, JNKのリン酸化およびアポトーシス関連タンパク(Fas/FasL, Bcl-2,TGF-β1)の発現について解析を行った。 正常皮膚由来表皮角化細胞あるいはケロイド由来表皮角化細胞との共培養下における正常皮膚およびケロイド由来線維芽細胞の細胞増殖およびアポトーシス抵抗性について検討した結果、ケロイド由来表皮角化細胞と共培養した線維芽細胞で最も細胞増殖率が高く、かつ最も高いアポトーシス抵抗性を示し、リン酸化されたERK, JNKが強く発現していた。また、Bcl-2,TGF-β1,-β2の発現量が最も強く認められた。ケロイド表皮は正常表皮に比べ共培養下のケロイド由来線維芽細胞の細胞増殖およびアポトーシス耐性に強い影響をもつと考えられた。
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Research Products
(1 results)