2002 Fiscal Year Annual Research Report
顔面の形態形成・硬組織形成における頭部神経堤細胞の特異的機能に関する研究
Project/Area Number |
14370569
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朝戸 裕貴 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (20222581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大隈 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00220343)
多久嶋 亮彦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90272541)
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60210762)
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Keywords | 神経堤細胞 / 顔面発生 / 顔面奇形 / HNK-1 / GlcAT-P / GlcAT-D / 全前脳胞症 / Sonic hedgehog |
Research Abstract |
(1)頭部・体幹部神経堤細胞で発現の異なる遺伝子の機能解析 骨などの硬組織は顔面では神経堤細胞由来であるが、体幹部では中胚葉由来であり、神経堤細胞は硬組織に分化しない。この現象の分子的基盤を探るため、ラット胚頭部・体幹部神経堤細胞で発現の異なる遺伝子を検討し、本研究では特に神経堤細胞の遊走に関与するHNK-1糖鎖の合成酵素GlcAT-P, GlcAT-D遺伝子に注目して機能解析を行った。GlcAT-Pは体幹、GlcAT-Dは頭部神経堤細胞のそれぞれsubpopulationに発現した。全胚培養系でこれら遺伝子を頭部神経堤細胞に導入したところ、GlcAT-Dでは遊走距離が短縮し、GlcAT-Pでは延長する傾向が観察された。このことが頭部神経堤細胞の特異的性質に関連する可能性が示唆された。この知見についてはすでにJournal of Anatomy誌に投稿し、現在修正中である。 (2)全前脳胞症モデルマウス胚における頭部神経堤細胞異常の解析 全前脳胞症は顔面及び中枢神経系の形態異常を起こす先天奇形であり、Sonic hedgehog(Shh)遺伝子の異常がヒト症例およびノックアウトマウスの解析で指摘されている。またこの病態では頭部神経堤細胞のアポトーシスを生じることがトリ胚での解析で示唆されているが、その詳細は明らかではない。本研究ではマウス全胚培養系にShh阻害剤cyclopamineを投与して全前脳胞症のモデル胚を作り、神経堤細胞死にいたるmolecular cascadeを解析する予定である。現在すでにモデル系は確立しており、Shh下流で制御されることの予想されるいくつかの遺伝子の発現解析を進めている。 (3)その他 顔面発生と神経堤細胞に関する日本語総説を執筆した。また頭蓋早期癒合症候群症例も骨芽細胞様細胞を培養し、骨分化能を神経堤細胞由来と中胚葉由来の部位とで比較する実験も進めている。
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Research Products
(1 results)