2004 Fiscal Year Annual Research Report
ケロイド及び肥厚性瘢痕の分子病態と抑制遺伝子の解明-無瘢痕外科治療をめざし
Project/Area Number |
14370574
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
百束 比古 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00165135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正洋 日本医科大学, 医学部, 講師 (00239500)
中澤 南堂 日本医科大学, 医学部, 講師 (20010051)
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Keywords | ケロイド培養線維芽細胞 / lumican / decorin / microarray解析 / collagen形成 / promoter領域 |
Research Abstract |
1、遺伝的にケロイド素因を保持すると思われる(肉親・兄弟姉妹にケロイド発症)患者の患部組織由来培養線維芽細胞株を5例、また、遺伝的素因が認められないケロイド組織由来培養線維芽細胞株2例、および、ケロイド以外の疾患の皮膚組織由来培養線維芽細胞株3例を新たに樹立した(全例、同意書を取得)。 2、Small leucine-rich proteoglycansの中lumicanおよびdecorinは、細胞行動やcollagen fibrinogenesisに関与することが知られている。先年度、ケロイド由来培養線維芽細胞の1系のmicroarray解析によりdecorin遺伝子の発現低下を見たので、上記の新たに樹立した複数の培養線維芽細胞系を用い、上記proteoblycansの遺伝子発現性についてReal-Time PCR法により調べた。また、その原組織内での局在性についても免疫組織化学的染色法により調べた。その結果、ケロイド組織・細胞および正常組織・細胞の間には、遺伝子発現性および染色性ともに特異的な差異が認められなかった。 3、ケロイド線維芽細胞特異的な発現を示す遺伝子を確実に同定するために、上記の新たに樹立した5例のケロイド素因保持者由来の培養線維芽細胞株それぞれからRNAを抽出し、正常培養線維芽細胞3例分を混合して抽出したRNAを対照にして、microarray解析を行った。その結果、5種のケロイド線維芽細胞において共通して特異的発現を示す遺伝子が47種同定された。その中12種はup-regulated geneであり35種はdown-regulated geneであった。現在、down-regulated geneの中collagen形成に関与する遺伝子群について、その発現に関わる遺伝子領域のnucleotides配列の特異性について検索中である。
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Research Products
(6 results)