2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト頭頸部リンパ管の発生制御と腫瘍接着機構に関する総合的研究
Project/Area Number |
14370575
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 重光 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80174928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 雄司 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50322821)
柴田 健一郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50145265)
沢 禎彦 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70271666)
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Keywords | リンパ管 / デスモプラキン / プラコグロビン / デスモコリン / デスモグレイン / p53 / 口腔扁平上皮癌 / 転写因子 |
Research Abstract |
1.組織解析 正常ならびに扁平上皮癌が浸潤した口腔組織について、組織切片にデスモゾーム関連細胞内プラーク蛋白(デスモプラキン・プラコグロビン)およびデスモゾーム蛋白(デスモコリン・デスモグレイン)に対するアイソタイプ特異抗体を用いて免疫染色を施行し、毛細リンパ管における細胞内プラーク蛋白の存在を検索した。またリンパ管に接着した腫瘍細胞が発現するデスモゾーム関連蛋白を検索した。その結果、1)腫瘍組織において、デスモプラキンを強く発現しているリンパ管が、また2)リンパ管に接着した腫瘍細胞において、デスモプラキンの強い発現が観察された。また腫瘍細胞における種々の程度でのデスモゾーム蛋白の消失が観察された。 2.腫瘍細胞の解析 口腔扁平上皮癌の培養細胞株について、デスモプラキン、プラコグロビン、デスモコリンおよびデスモグレインの各アイソタイプ特異抗体を用いた免疫染色、ならびにこれらのmRNAに対するRT-PCRを行った。また細胞株のp53変異を検索した。その結果、検索したすべての培養細胞株において、1)p53の変異、2)プラコグロビン、デスモコリンあるいはデスモグレインの消失、また3)デスモプラキンmRNAおよび蛋白の細胞内蓄積が観察された。 以上のことから、次の可能性が示唆された。 1.リンパ管内皮細胞における、腫瘍細胞との相互作用によるデスモプラキンの過発現 2.口腔扁平上皮癌における、デスモゾーム蛋白のうちデスモプラキンのみの変異あるいは過発現 3.口腔扁平上皮癌における、転写因子変異とデスモゾーム蛋白消失・過発現との相関
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