2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370577
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 吉郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90126425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕紀子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20345309)
坂本 裕次郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90242205)
寺島 達夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20114770)
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Keywords | 象牙質 / セメント質 / 再生 / 歯周組織 / DSP / bisphosphonate / HEBP / 歯 |
Research Abstract |
石灰化阻害作用を有するbisphosphonateの一種1-hydroxyethylidene-1,1-bisphosphonate(HEBP)をラットに注射あるいは皮下埋入型浸透圧ポンプで連続投与することにより、新規に形成された歯や骨の基質がほぼ完全に未石灰化の状態で維持される石灰化阻害動物モデルを作成した。本石灰化阻害動物モデルでは、骨基質と象牙質基質の形成がほぼ正常動物と同様に進行すること、分泌された基質の石灰化が阻害されることにより、本来、多量の無機塩の沈着(石灰化)によって観察が困難となる硬組織基質成分の分布とその構造特性の詳細な解析を可能となる。 本研究ではこの石灰化阻害動物モデルを用いて、石灰化を抑制された歯根象牙質では、本来無細胞セメント質が形成されるべき部位に有細胞セメント質が形成誘導されること、有細胞セメント質誘導部位では、象牙質基質成分の一部が拡散性に歯根表面に達し、歯根膜細胞に作用している可能性を示す所見を得ている。正常の歯根形成過程においても、有細胞セメント質の形成野に限局して象牙質基質成分の歯根表面への拡散が生じていることが確認され、有細胞セメント質の形成に、歯髄側から歯根膜細胞に向けて拡散性に到来する何らかの誘導因子が関与用している可能性を示唆している。我々はこれらの成果をPossible role of dentin matrix on region-specific deposition of cellular and acellular extrinsic fiber cementumとしてまとめ、同タイトルでJ Electron Microscopy第52巻6号:573-580(2003)に発表した。 石灰化阻害モデルでは、硬組織形成細胞の形態や配列には特に異常は認められないが、in vitroのデータはDSPP産生能の上昇をはじめとする幾つかの細胞活性のパラメーターの変化を指摘している。酵素組織化学、免疫組織化学により歯髄細胞、歯根膜細胞、骨系細胞の機能評価をした結果、これらのパラメーターの幾つかが大きく変化していることが認められ、実験的に見られた有細胞セメント質の形成誘導との関連性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.TAKANO: "Possible role of dentin matrix on region-specific deposition of cellular and acellular extrinsic fiber cementum."J Electron Microsc. 52(6). 573-580 (2003)
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[Publications] Y.TAKANO: "Stage-specific Contribution of Cholinesterase in Amelogenesis of Guinea Pig Teeth."Archives of Comparative Biology of Tooth Enamel. 8. 16-20 (2003)
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[Publications] T.TERASHIMA: "Analysis of enamel formation in mutant rats with hypoplastic type of amelogenesis imperfacta."Dentistry in Japan. 39. 8-14 (2003)
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[Publications] Y.TAKANO: "Gene expression of GDFs in the developing periodontium of rat molars."J.Dent.Res. 82(3). 166-171 (2003)
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[Publications] Y.NAKANO: "Alkaline and acid phosphatase in bone cells serve as phosphohydrolases at physiological pH in vivo : A histochemical implication."Connective Tissue Res. 44(Suppl 1). 219-222 (2003)
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[Publications] 高野 吉郎: "歯の石灰化"Clinical Calcium. 33(9). 81-85 (2003)