2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しい歯周再生療法開発のためのエナメル蛋白活性部位の同定と同合成ペプチドの創製
Project/Area Number |
14370583
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高田 隆 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10154783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 淳 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70335660)
小川 郁子 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (70136092)
宮内 睦美 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50169265)
松田 尚樹 長崎大学, アイソトープセンター, 助教授 (00304973)
内田 隆 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50150305)
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Keywords | エナメルタンパク / 歯周組織 / アメロブラスチン / 組織再生 / シグナル伝達 / 歯周靭帯細胞 |
Research Abstract |
歯周組織再生療法として注目されているエナメル蛋白(エムドゲイン:EMD)の生物活性を示す蛋白の種類や活性部位の同定ならびに同活性部位の合成ペプチドによる新しい歯周組織再生療法剤の開発実用化の可能性を検討するため,本年度はまず,歯周組織再生に関わる細胞の増殖分化に対するEMDの作用機序を,細胞ならびに分子レベルで明らかにするとともに,エナメル蛋白を作用させた時の細胞内シグナル伝達系の動きを解析し,レセプター型を同定することを試みた.その結果以下のことが明らかとなった. 1.歯周靭帯細胞の増殖,分化に及ぼすEMD作用に対する各種エナメル蛋白に対する抗体の影響の影響を検討したところ,抗アメロジェニン抗体は著明な影響を示さなかったのに対し,抗アメロブラスチン抗体がEMDの示す歯周靱帯細胞の増殖,分化促進効果を抑制した. 2.そこで,歯周靭帯細胞の増殖,分化に影響を及ぼす抗体の認識部位に一致するペプチドを合成し,そ.の増殖分化に対する影響を解析したところ,同ペプチドが歯周靭帯細胞の増殖,分化を促進した. 3.EMDに反応するレセプタータイプを推定するため,歯周靭帯細胞にEMDを作用させた際のシグナル伝達系タンパクの動きを検索したところ,Extracellular signal-related kinases(ERK)1/2が選択的に活性化されることが明らかとなった.また,この反応をsuraminが阻害することから,epidermalgrowth factor(EGF)と同様にreceptoe tyrosine kinases(RTK)を介した経路であることが分かった.さらに,EGFとのcompetitive binding assayでは変化はみられず,EMD特異的なRTK-ERK1/2シグナル伝達系の存在が示唆された.
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Research Products
(1 results)