2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370594
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松尾 龍二 岡山大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30157268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美藤 純弘 岡山大学, 医歯学総合研究科, 助手 (20240872)
舩橋 誠 岡山大学, 医歯学総合研究科, 助手 (80221555)
小橋 基 岡山大学, 医歯学総合研究科, 助教授 (80161967)
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Keywords | 上唾液核 / パッチクランプ法 / シナプス電流 / グルタミン酸受容体 / GABA受容体 / グリシン受容体 |
Research Abstract |
唾液腺を支配する分泌神経のインパルス形成機構を脳スライス標本を用いて、電気生理学的に解析した。とくに分泌量を司る副交感神経の中枢について、以下の研究実績を得た。 1.実験にはホールセルパッチクランプ法が適用しやすい幼若ラットを使用した。顎下神経節に蛍光色素を注入して顎下腺支配の副交感神経(上唾液核細胞)を標識した。脳スライス標本を作成後、蛍光顕微鏡下で標識した細胞を確認しホールセルパツチクランプを行い細胞内通電による生物物理的膜特性を解析した。 2.シナプス入力を解析する前段階として樹状突起の形態を観察した。記録電極を介したニューロバイオサイチンによる生体染色の結果、樹状突起は3-5本認められ100-800ミクロンの長さであった。樹状突起の形態は背腹側に長いものと放射状のものが認められた。 3.細胞体から400ミクロン程度の距離で電気刺激を行うと、細胞体から安定したシナプス電流が記録された。この電流はグルタミン酸受容体とGABA受容体の阻害薬を投与すると完全に消失した。 4.さらに興奮性シナプス後電流は、NMDA型とnon-NMDA型のグルタミン酸受容体を介する電流で構成されることが分かった。また抑制性シナプス後電流は、GABAAへとglycine受容体を介する電流で構成されていた。なお、樹状突起の形態(背腹側型と放射状型)とシナプス電流との間に差異は認められなかった。 上記の成果を基に、15年度はインパルスの発射様式を分析する予定である。当初の研究計画はおおむね達成することができた。
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