2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370594
|
Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松尾 龍二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美藤 純弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20240872)
舩橋 誠 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80221555)
小橋 基 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80161967)
|
Keywords | 上唾液核 / パッチクランプ法 / シナプス電流 / グルタミン酸受容体 / GABA受容体 / グリシン受容体 |
Research Abstract |
唾液腺を支配する分泌神経のインパルス形成機構をラットの脳スライス標本を用いて、電気生理学的に解析した。とくに顎下腺の分泌量を司る副交感神経の中枢(上唾液核)について、以下の研究実績を得た。 1.神経解剖学的特徴: ホールセルパッチクランプ法が適用しやすい幼若ラット(生後8〜14日)を使用した。上唾液核細胞は唾液腺だけでなく舌の動脈に分泌しているため、両者について比較検討した。その結果、唾液腺支配と舌支配の上唾液核細胞は延髄外側網様体に混在しており明確な局在は認められなかった。樹状突起を3〜5本有する20〜30ミクロン程度の細胞であったが、樹状突起の長さは唾液腺支配神経のもの(200〜800ミクロン>が舌支配神経のもの(100〜500ミクロン)よりも長く、腹背側方向に伸びていた。 2.電気生理学的特徴: (1)細胞体から400ミクロン程度の距離で電気刺激を行うと、細胞体から安定したシナプス後電流が記録された。この電流はグルタミン酸受容体、GABA_A受容体、グリシン受容体の拮抗薬で消失したため、上唾液核細胞の興奮性シナプス入力はNMDA、non-NMDA受容体を介し、抑制性シナプス入力はGABA_A、グリシン受容体を介することが分かった。 (2)唾液腺支配細胞のシナプス後電流は、non-NMDAよりもNMDA受容体を介する成分が多く、グリシンよりGABA_A受容体介する成分が多かった。さらに唾液腺支配の神経は舌支配の神経よりも低頻度で興奮した。 (3)上唾液核細胞の中にはGABA_B受容体を介するシナプス前抑制が認められた。 以上の成果は順次欧文誌に投稿しており、一部はすでに掲載された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 松尾龍二: "唾液分泌の生理とメカニズム"Dental Diamond. 27・373. 28-31 (2002)
-
[Publications] Ryuji Matsuo: "Morphological study on the superior salivatory nucleus innervating the submandibular and sublingual salivary glands and tongue in rats."Dentistry in Japan. 39. 34-36 (2003)
-
[Publications] Yoshihiro Mitoh: "Excitatory and inhibitory postsynaptic currents of the superior salivatory nucleus innervating the sallivary glands and tongue in the rat."Brain Research. 999・1. 62-72 (2004)