2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370595
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平田 雅人 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60136471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 美穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40291520)
兼松 隆 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (10264053)
|
Keywords | Ins(1,4,5)P_3 / γ-アミノ酪酸受容体 / GABARAP / ノックアウトマウス / 抗不安薬 / 海馬細胞 |
Research Abstract |
PRIP1[新規Ins(1,4,5)P_3結合蛋白質]は、我々が発見し、精製・遺伝子クローニングを行ったホスホリパーゼC(PLC)-delta1類似蛋白質であるが、この分子はPLC酵素活性を持たない。本分子は機能的なGABA_A受容体を構築するために必須の分子であることを昨年度の研究で解明した。サブタイプとして2型(PRIP2)も存在することが分かったので、本年度はPRIP1とPRIP2のダブルノックアウト(DKO)マウスを作製し、GABA_A受容体情報伝達経路に及ぼす影響を調べた。PRIP1 KOマウスの海馬細胞を用いwhole-cell patch記録法でGABA誘発性Cl電流のベンゾジアゼピン系薬剤(gammaサブユニットに作用点をもつ)による影響を調べた。DKOマウスの海馬細胞にジバゼパムを作用させたところGABA誘発性Cl^-電流の増強効果が抑えられた。さらに、抗不安効果を評価するプラス迷路を用いた行動解析実験においてもジバゼパム作用効果が減弱していた。これらの結果は、DKOマウスではGABA_A、受容体のgammaサブユニットを介した情報伝達経路が正常に機能しないことを示唆するものであり、PRIPがGABA_A受容体情報伝達経路においてGABAシグナルを調節する新しい分子であることを解明したことを意味する。また、本分子はタンパク質脱リン酸化酵素(PP1,protein phosphatase)を結合することから、GABA_A、受容体のリン酸化調節にも関わっている可能性について詳細に検討し、PP1を受容体近傍にリクルートするために作用する重要な分子であることも解明した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Mizoguchi, Y.et al.: "A rapid increase in the total number of cell-surface functional GABA_A receptors induced by BDNF in rat visual cortex"The Journal of Biological Chemistry. 278. 44097-44102 (2003)
-
[Publications] Hidaka, K.et al.: "The importance to chondrocyte differentiation of changes in expression of the multiple inositol polyphosphate phosphatase"Experimantal Cell Research. 290. 254-264 (2003)
-
[Publications] Takahashi-Yanaga, F.et al.: "Dictyosterium diffrentiation-inducung factor-3 activates glycogen synthase kinase-3b and degrades cyclin D1 in mammaliancells"The Journal of Biological Chemistry. 278. 9663-9670 (2003)