2002 Fiscal Year Annual Research Report
コーピング強化キャスタブルセラミックインレーの開発とその応用
Project/Area Number |
14370612
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小松 正志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10005069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 繁仁 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (10291262)
遠藤 達雄 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (20168826)
笹崎 弘己 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (90133991)
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Keywords | コーピング / キャスタブル・セラミックインレー / キャプテックP / キャプテックG / 焼成セラミックインレー / セラミック・インゴット / 加圧鋳造法 / IPSエンプレス2 |
Research Abstract |
キャスタブルセラミックインレーは適合性には優れているものの、強度的な問題があり、破折等が見られる場合が生じていた。本研究ではまず、インレー体底面にキャプテックPとGでコーピングし、貴金属薄膜で溶融一体強化されたフレームを有するキャスタブルセラミックインレーの製作を試みた。専用模型材上でコーピングを行い、1075℃で4分焼成し、貴金属薄膜のコーピング層を作成した。次いで通法に従いワックスアップを行い、埋没、焼尽後、溶融したセラミックインゴットをIPSエンプレスにより真空下5気圧で加圧して注入し、コーピング強化キャスタブルセラミックインレー体を製作した。 幅約5mm、厚さ約1mmの試片の3点曲げ強さは、それぞれエンプレス1で151.4±5.7MPa (n=3)、エンプレス2で300.1±20.1MPa (n=4)、コーピング処理エンプレス1で200.5±24.5MPa (n=3)、エンプレス2で87.8±4.0MPa (n=3)であった。エンプレス1ではコーピング強化効果が見られたが、エンプレス2では3点曲げ強さは逆に低下していた。これは特にエンプレス2ではコーピング層と溶融セラミツクインゴットが溶融一体化せず、その結果インレー体に対する強化効果があらわれなかったものと推察される。またEPMA (Electron Probe Micro-Analyser) JXA-8800による分析で、コーピング層の組成はCrが6.1%、Pdが13.5%、Agが10.0%、Ptが5.7%、Auが64.7% (Wt.%) (n=2)であった。コーピング層とセラミックインゴット接合界面のSEM像では、界面の大部分が溶融一体化しておらず、接合していない像が観察された。 今後はコーピング層とセラミックインゴット界面が溶融するよう工夫を施すと共に、焼成法で作成するセラミックインレーにも本法を応用し物性測定等を行っていく予定である。
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