2002 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質接着性材料の生体内溶出成分が好中球の増殖・分化機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
14370613
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
荒木 孝二 東京医科歯科大学, 医歯学教育システム研究センター, 教授 (70167998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礪波 健一 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (20334427)
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Keywords | 4-META / 接着性レジン / 培養細胞 / 増殖機能 / レジンプレート |
Research Abstract |
本研究の目的は近年、直接覆髄材料として日常臨床で用いられている4-META/MMA-TBBresin(スーパーボンドC&B,サンメデイカル社)の溶出成分が培養細胞への増殖・分化機能に及ぼす影響を調べ、また、溶出成分の分析から原因機構を解析することであるが、本年度の研究目標として細胞接着性試験方法の確立を目指した。 研究方法として以下のように行った。 (1)レジンプレートの作製:4-META/MMA-TBBresinをテフロンシート上で常温重合させた後、耐水ペーパーで研磨し、面積2cm^2のレジンプレートを作製した。 (2)細胞接着性試験(細胞増殖の測定):(1)で作製したレジンプレート上でラット歯髄細胞(RPC細胞)を7日間培養、またラット骨髄細胞(RBMC細胞)を10日間培養した後、生細胞染色用色素Calcein-AMを用いて細胞接着性試験を行い、細胞増殖の測定を行った。 コントロールとして通常の細胞培養に用いられるプラスチック製のプレート上での培養後に細胞増殖の測定を行った。 その結果、RPC細胞、RBMC細胞ともにレジンプレート上ではCalcein-AMに染色される生細胞の数値はコントロールよりも低い値が得られた。このことから4-META/MMA-TBBresinプレート上では培養細胞に何らかの影響が与えられ増殖機能が低下した可能性が示唆された。なお、本研究で用いる培養細胞は最終的に好中球(HL-60細胞)であるが本年度は細胞接着性試験方法の確立のためより安定した結果が得られる上記株化培養細胞を用いた。引き続き4-META/MMA-TBBresinが培養細胞に与える影響についてRNA解析、DNA解析、ALP活性測定を行っている。さらに、三次元培養システムを採用し、培養液中への溶出成分が培養細胞に与える増殖・分化機能に及ぼす影響についても併せて解析中である。
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