2002 Fiscal Year Annual Research Report
フラクトグラフィ(破面情報解析)による審美的インレー修復のセメントラインの強化
Project/Area Number |
14370618
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹重 文雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60206969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 美加子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40271027)
木ノ本 喜史 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10252694)
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Keywords | 疲労亀裂進展試験 / 審美的インレー / セラミックインレー / 辺縁劣化 / フラクトグラフィ / セメントライン |
Research Abstract |
本年度は臨床経過例のレプリカの採取,セメントの磨耗量の測定,臨床経過例のセメントラインのフラクトグラフィ解析,合着用レジン材料を用いた疲労亀裂進展試験ならびに実験レジン材料の調整を行った。その結果以下に示す知見が得られた。 採取した2級セラミックインレー臨床症例のレプリカを用いて,セメントの磨耗量をレーザー変位計によって測定したところ,機能咬頭側で非機能咬頭側と比べて有意に大きな磨耗量を認めた。さらに磨耗量の変化としてのセメントライン経時的劣化は三段階の劣化様式を示した。第一期はセメントの磨耗によって垂直方向に急速に劣化が進行し,第二期では劣化は緩やかになるもののセラミックスの辺縁から内部に微少な亀裂が進展していく。第三期は,第二期までのセメントの磨耗で露出した辺縁が微少破折を繰返すことによって,明らかな辺縁劣化へと進行する時期であった。また,セメントラインの幅が大きくなるほど辺縁劣化も激しくなる傾向を示し,セメントラインの幅が辺縁劣化の大きなファクターであることが示唆された。合着用レジン材料の疲労亀裂進展試験を行ったところ,コンポジットレジンやセラミックスの疲労亀裂進展試験条件の適用では安定した亀裂の進展が困難であった。これはセメント材料特有の試料作製時の欠陥や接着性モノマーの存在による物性への影響などが原因と考察しており,現在,試料の作製方法,試験片の形状,角荷条件の見直しをすすめ,制御プログラムの一部変更も視野に入れて,亀裂試験の安定を図っているところである。実験材料の作製では現在材料の試作を行っており,今後,亀裂進展試験結果のフィードバックとともに作業を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayashi M. et al.: "Quality of Marginal adaptation Evaluation. Of Composites in Clinical Trials"Journal of Dental Research. 82・1. 59-63 (2003)
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[Publications] Hayashi M. et al.: "Marginal deterioration as a predictor of failure of a posterior composite"European Journal of Oral Sciences. 111. 155-162 (2003)
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[Publications] Tsubakimoto Y. et al.: "Analysis of longitudinal marginal deterioration of ceramic inlays"Journal of Dental Research. Special issue(印刷中). (2003)