2002 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質知覚過敏症の分子基盤の解明とそれに対する新規の治療戦略
Project/Area Number |
14370620
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鳥居 光男 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (30116066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 隆寿 熊本大学学, 医学部, 助教授 (20176499)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
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Keywords | 象牙質知覚過敏症 / DNAマイクロアレイ / IP6K-1 / 発症メカニズム |
Research Abstract |
象牙質知覚過敏症は、歯科保存領域において非常に厄介な疾患であるが、これに対する効果的な治療法は現在までのところ、全く見当たらない。また、この疾患の分子病理メカニズムもほとんど実証されていない。本研究では、象牙質知覚過敏症の分子メカニズムを解明するために、遺伝子プロファイリングの結果明らかになったinositol hexakisphosphatase類似遺伝子(IP6K-1)にターゲットをしぼり、この分子のヒト組織における局在をヒト組織DNAマイクロアレイ(クローンテック社)を用いて解析した。その結果、同分子が脳の組織、特に大脳皮質と海馬に多く発現していること、また、精巣や卵巣、あるいは胸腺などの組織にも強く発現していることが明らかになった。この分子のin vitroにおける発現パターンを調べるために、線維芽細胞培養系を用いて、Factor Xa刺激による同分子のmRNA発現を調べた。その結果、同分子は、Factor Xaなどのmitogen刺激によって、極めて短時間(二時間以内)に誘導されてくることが明らかになった。次に我々は、同分子の遺伝子導入用Plasmidを作成し、現在このPlasmidを用いて、歯髄細胞に同分子を過剰発現させた場合に、細胞がどのような反応を起こすのか検討中である。また、同分子に特異的な抗体も作成し、歯髄組織における局在も検討して行く予定である。
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