2004 Fiscal Year Annual Research Report
鉄白金磁性合金を活用したアタッチメントシステムの新展開
Project/Area Number |
14370640
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
久恒 邦博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20037526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 博俊 長崎大学, 工学部, 教授 (10136533)
白石 孝信 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10150468)
澤瀬 隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80253681)
田中 康弘 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10217086)
三浦 永里 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70315258)
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Keywords | 磁石 / 補綴物 / 床用レジン / プライマー / 接着強度 / 摩耗 / スパッタ薄膜 |
Research Abstract |
1.昨年度、前装用レジンと鉄白金合金との接着性について検討したが、本年度は義歯床用レジンとの接着性についても検討を行った。VBATDT系プライマー処理はプライマー未処理のコントロール群と同程度の接着強度しか示さず、10000サーマルサイクル(TC)後は1MPa程度まで低下した。4-META系プライマー処理を行うとコントロール群の2倍の接着強度が得られたが、10000TC後、コントロール群と同様の接着強度へ低下した。MEPS系、MDP系では、コントロール群の3倍以上となる15MPa以上の接着強度が得られた。10000TCによってMEPS系プライマー処理材の接着強度は10MPa程度へ低下した。一方MDP系プライマー処理の場合、10000TCとOTC間で接着強度に有意差は認められなかった。前装用レジンの場合もMDP系は同様の優秀な成績が得られており、鉄白金合金のプライマーとしてはMDP系が最適であることが分かった。 2.口腔内では咬合に伴う摩耗現象が予想される。そこで摩耗特性についで検討を行った。上顎、下顎第一大臼歯に鋳造した鉄白金磁石合金、金銀パラジウム合金、金白金合金、Co-Cr合金について5kgfの咬合力で50000回の咬合運動を行い、摩耗試験を行った。金白金合金や金銀パラジウム合金の20分の1程度の摩耗量で耐摩耗性に非常に優れていることが明らかになった。磁石として使う場合、時効処理によって規則化させているため硬さも向上する。そのため、優れた耐摩耗性が得られると思われる。 3.鉄白金磁石合金の新たな応用分野として薄膜磁石によるマイクロマシンへの応用が最近考えられている。そこでRFスパッタリング法で作製した1.7μm厚の薄膜の磁気特性及び微細組織について検討を行った。500℃の熱処理によってレマネンスエンハンスメントが確認された。TEM観察の結果50nmの領域内でL1_0型規則相とfcc不規則相が混在していることが確認できた。これらの相間の強い交換相互作用が期待された。
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Research Products
(4 results)