2003 Fiscal Year Annual Research Report
粉末冶金法を用いた金属床義歯作製に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14370649
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 貴信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60014271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 好徳 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70308782)
金澤 毅 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10261017)
星合 和基 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10097610)
津田 賢治 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (20319198)
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Keywords | 粉末冶金 / ドクターブレード / Tiシート / 多孔質材料 / 球形粉末 / 焼結 |
Research Abstract |
生体親和性に優れるチタンおよびチタン合金は,精密鋳造に不適な材料である.そこで,金属床義歯作製に代えて粉末冶金法を導入した場合,融点以下の温度で焼結するため、鋳造が容易でない金属材料の応用が可能となる.しかし,焼結時の収縮をどのように軽減させ,寸法精度に優れた補綴物を得るかに関しては,数多くの問題が未解決である.本研究はその具体的臨床システムの開発を目的としたものである. まず,シート作製条件の検討として,球形Ti粉末に10wt%の添加剤を混合し,ドクターブレード法にて作製したTiシートが6〜9wt%,10〜15wt%の添加剤を混合したシートと比較し,操作性,粉末の緻密化の点で最も有用であると確認された. 次に,10wt%添加剤含有球形Tiシートを用い,焼結温度および焼結時間について検討を行った.焼結温度に関しては,900℃〜1050℃において硬さ,引張および曲げ強度の増加が顕著にみられ,1000〜1050℃1hの焼結サイクルが適しているものと考えられた. さらに,機械的強度の向上を目的とし,球形Ti粉末に軽度の粉砕工程を加えた粉末を用いたTiシートについて比較検討した.900℃〜1150℃間を50℃間隔の6種の温度で焼結を行い,球形Tiシートと比較したところ,引張および曲げ強度が有意に増加した.またSEM観察では,軽度の粉砕工程を加えた粉末を用いたTiシートが,粉末粒子間のネックの成長がスムーズに起こりやすいことが確認された. 本研究で作製した焼結Tiは鏡面研磨が困難であるため光沢に乏しい.そこで,焼結金属の表面性状の改善を目的とし,金属表面にレーザー照射を行った.レーザー照射を行うことにより,表面粗さは減少し,審美性が求められる部位での応用も可能と考えられた. 現在,このTiシートを臨床症例に準じた形態でのフレームを作製中である.より実際的な見地から検討し,臨床技法を確立したい.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 彦坂 達也, 水谷 憲彦, 田中 貴信, 星合 和基ほか: "チタンおよびチタン合金の変色と腐食に関する研究"日本補綴歯科学会雑誌. 第47巻第2号. 301-310 (2003)
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[Publications] 彦坂 達也, 鶴田 昌三, 田中 貴信, 河合 達志ほか: "焼結金属の歯科補綴物への応用-焼結チタンの機械的特性-"日本補綴歯科学会雑誌. 第47巻110回特別号. 147-147 (2003)