2003 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシレドキシンIノックアウトマウスによる口腔癌リンパ節転移の解析
Project/Area Number |
14370656
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 廣 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50166823)
石井 哲郎 筑波大学, 社会医学系, 教授 (20111370)
柳川 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10312852)
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Keywords | ペルオキシレドキシン / ノックアウトマウス / ジーントラップ / MSP23 |
Research Abstract |
前年度までにジーントラップ法により得られたESクローンについてPrxIノックアウトマウスを完成させた。本年度は、これらのマウスの生物学的特性を調べるため、前年度に引き続き交配を行いノックアウトマウスのホモタイプを製作した。その際、ジェノタイプの決定はPCRでおこなった。PrxIノックアウトマウスは、外見や妊孕性、行動などは異常がみられなかった。マウスは実験可能な数まで増殖させ、C57/BL6とのバッククロスを繰り返しマウスのゲノムのバックグラウンドをそろえた。また、腫瘍の転移の実験を開始した。腫瘍の肺転移モデルには、マウスメラノーマ由来癌細胞株のB16細胞の系を用いた。培養したB16細胞を5x10^5個ずつ、それぞれワイルドタイプ、ノックアウトヘテロタイプ、ホモタイプマウスのマウスフットパットに移植し、移植部の腫瘍の大きさ、膝のリンパ節転移、肺への転移の数を測定したところ、ワイルドタイプマウスでは腫瘍は浸潤性に増殖し、リンパ節へ転移し、6週間後には肺に転移が見られたが、PrxIノックアウトマウスでは、ヘテロタイプ、ワイルドタイプとPrxIの発現が消失していく順に腫瘍細胞は生育せず、腫瘍の消失が見られた。さらに肺の転移数も減少した。 以上、生体におけるPrxIと腫瘍のリンパ節の関連について、PrxIが重要な役割を果たしている可能性が示唆された。一方、PrxIノックアウトマウスの解析と同時に、すでに誕生している、PrxIとおなじ転写因子Nrf2によって制御をうけている酸化ストレスタンパク質A170のストレス応答の解析も行い、PrxIノックアウトマウスの予備実験とした。
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Research Products
(1 results)