2003 Fiscal Year Annual Research Report
カオス理論を応用した音声による鼻咽腔閉鎖機能診断システムの開発
Project/Area Number |
14370673
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三島 克章 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60304317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 尚三 オージス総研, eビジネス事業部, 研究員
山田 朋弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60335619)
菅原 利夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10116048)
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Keywords | 音声カオス解析 / ナゾメータ / 鼻咽腔閉鎖機能 / 動画面計測法 / 鼻咽腔内視鏡 |
Research Abstract |
1.動画計測 昨年までの研究で次のような顔面の面データを持つ動画計測が実現した。3台のIRカメラと1台のカラーカメラ、赤外線パターン照射、4台のデジタルビデオデッキ、同期信号発声装置を用い、PCに動画をキャプチャーする。照射されたパターンの対応付け、オプティカルフロー等のアルゴリズムを応用し、顔面の面データを作成することに成功した。この面データの精度を検証するために、一軸平行アクチュエータ(高精度移動制御装置)上で既知物体を移動させ、作成された面データの精度を調べた。その結果、画面縦方向は、0.53〜0.73mm、横方向で0.14〜0.44mmであり、臨床上十分な精度を有していた。次に、得られた顔面の面データから口唇運動を解析する目的に、口唇を領域分割し、各領域でuv座標系を設定し、加速度、固有値を算出するプログラムを完成させた。現在、このパラメータを用い、各構音(まずは母音)時の口唇運動の特徴を検討している。 2.音声カオス解析 "きつつきがきをつつく"および、"うえをおおう"というナゾランス測定時によく用いられる2つの文章を用い、単一志向性マイクロフォンから入力した音声ファイルをもとにリアプノフ数を算出した。同時にナゾメータにてナゾランス値を算出した。健常者6名と口蓋裂術後8名(うち2名は明らかに鼻咽腔閉鎖不全を有する)を対象とした。その結果、(1)健常者のナゾランス値のばらつきが大きかった。(2)ナゾランス値とリアプノフ数との間に明らかな相関関係は見られなかった。(3)ナゾランス値の大きい症例の中で(30%以上)、鼻咽腔閉鎖不全を有する患者は、リアプノフ数が大きい傾向が見られた。いずれも、サンプル数が少なく統計処理できていないが、(1)は健常者のデータを調査しなおす必要がある。さらに、(3)から、ナゾメータとカオス解析を合わせることにより、鼻咽腔閉鎖機能の診断精度が向上する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mishima K., Yamada T., Sugahara T.: "Evaluation of respiratory status and mandibular movement after total temporomandibular joint replacement in patients with rheumatoid"International Journal of Oral & Maxillofacial Surgery. 32・3. 275-279 (2003)
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[Publications] Miyawaki S., Koyama I., Inoue M., Mishima K., Sugahara T., Takano-Yamamoto: "Factors associated with the stability of titanium screws placed in the posterior region for orthodontic anchorage"Am J Orthod Dentofac Orthop. 124・4. 373-378 (2003)
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[Publications] Yamada T., Mori Y., Mishima K., Sugahara T.: "Nasolabial and alveolar morphology after presurgical orthopedic treatment in complete unilateral cleft lip and palate infants"J.Craniomaxillofac.Surg.. 31. 343-347 (2003)
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[Publications] 藤原久美子, 三島克章, 山田朋弘, 香川智正, 鄭 吉弘, 丸井崇久, 菅原利夫: "両側性口唇・口蓋裂患者の顎裂及び口蓋残孔に対する治療計画について"岡大歯学誌. 22・1. 189-194 (2003)
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[Publications] Mishima K., Yamada T., Fujiwara, K., Sugahara T.: "Development and clinical usage of a motion analysis system for the face-a preliminary report-"Cleft Palate Craniofac J.. (in press). (2004)
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[Publications] Yamada T., Mishima K., Mori Y., Fujiwara K., Sugahara T.: "Three-dimensional anthropometry of the lips in young Japanese adults"Asian Journal of Oral and Maxilofacial Surgery. (in press). (2004)