2003 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線を用いた非侵襲性・携帯型誤嚥診断システムの開発
Project/Area Number |
14370679
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 助教授 (40157540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 夕香里 昭和大学, 歯学部, 講師 (50260906)
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Keywords | 近赤外線 / 摂食・嚥下障害 / 米飯 |
Research Abstract |
今年度は、近赤外線によって誤嚥を検知する研究の内、誤嚥した検査食を近赤外線で検出する方法に関する研究を行った。食物のうち、米飯は調理方法を変えることで、様々な性質の米飯を作成できるので検査食とした。まず誤嚥探知用の検査食を開発するための基礎研究として、米飯の力学的特性値(硬さ、粘り、付着性)の変化について検討した。試料は、加水量および形態を変化させた4種類の米飯(以下常飯、軟飯、全粥、全粥ミキサー)である。 その結果、炊飯後の米飯の硬さは、加水量が多くなるほど軟らかくなり、時間と共にやや硬さが増す傾向にあった。粘りは加水量による差が小さく、時間と共に粘りが増加していた。付着性は加水量による差が小さかったが、時間の経過による付着性の変化の挙動に一定の傾向はみられなかった。なお、全粥ミキサーではこれらの値の変化がほとんどなかった。 冷凍・解凍処理後の変化では硬さは、加水量が多くなるほど小さくなり、時間と共にやや硬さが増していた。粘りは加水量による値の変化はほとんどなく、時間と共に増加していた。付着性は加水量が多くなるほど値も大きくなり、時間と共に増加する傾向にあった。全粥ミキサーについては炊飯後の米飯と同様、温度や時間による変化がほとんどみられなかった。炊飯後と冷凍・解凍後の力学的特性値の比較してみると、硬さはすべての米飯について、粘りは常飯を除いて値に差がなかった。付着性は、加水量が多いほど炊飯後と解凍後の米飯での付着性の差が顕著であり、冷凍・解凍処理の影響を受けやすいことが示された。全粥ミキサーについては、いずれの力学的特性値においても差がほとんど見られなかった。 以上の結果から、常飯・軟飯・全粥については、加水量によって値の差と経時的変化があり、全粥ミキサーについては、ほかの米飯と異なって均一ゾル状であることから、値と経時的変化が小さいことが明らかとなった。
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