2005 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線を用いた非侵襲性・携帯型誤嚥診断システムの開発
Project/Area Number |
14370679
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 助教授 (40157540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 夕香里 昭和大学, 歯学部, 講師 (50260906)
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Keywords | 4次元MRI / 嚥下運動 / 嚥下障害 / シミュレーションロボット |
Research Abstract |
近赤外線による誤嚥診断装置の精度の向上のために、シミュレーションロボットを製作し、今年度は舌運動を再現したロボットを製作した。 ロボットの骨格系はCT画像から製作し、舌の素材はポリウレタン製で、形態は解剖学的な形態に一致させた。舌の送り込み運動は4次元MRIの分析結果に基づいて設計した。 4次元MRIは、x,y,zの任意の断面で画像を得ることができるため、嚥下造影検査や内視鏡検査では不可能であった嚥下時の鼻咽腔や喉頭口および声門の閉鎖、さらには食道開大を詳細に解析できるようになった。たとえば、嚥下時の各器官の動きについては、まず声帯の内転が始まり、続いて喉頭挙上と軟口蓋の挙上が起こり、132msec後に鼻咽腔が閉鎖し、鼻咽腔閉鎖から66msec後に声門と喉頭口が閉鎖した。食道腔が開放され、さらに閉鎖して嚥下運動が完了すると、まず鼻咽腔が開放し、次いで喉頭口の開放、声門の開放が徐々に起こった。さらに口腔から咽頭腔、食道腔の嚥下時の形態変化を解析した。その結果、咽頭腔は咽頭前壁に中心をおく三日月形であり、嚥下時は側方部から閉鎖が始まり、最後に後方部が閉鎖されること分かった。また、食道腔は類円柱形で咽頭腔が閉鎖に引き続いて解放されることが明らかになった。 このように、4次元MRIによって嚥下時の各器官の連関が明らかになったので、生理運動を再現したロボットの製作を開始し、本年度は舌の送り込み運動を再現した。 ロボット舌の送り込み運動は、4次元MRIの解析から波状運動と考えられたので、アクチュエイターにはMcKibben型人工筋肉を使って設計した。その結果、ロボットの舌は、蒟蒻とウレタンフォーム片を咽頭腔まで送り込むことが可能であった。 今後は、嚥下の咽頭期や食道期の画像化とシミュレーションロボットによる嚥下運動の再現を進めることで、障害の評価法や治療法の開発に繋がると考えられる。
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Research Products
(14 results)