2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370680
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉崎 正志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30085873)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 匠 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20267537)
木野 孔司 東京医科歯科大学, 歯学部付属病院, 助教授 (80143585)
吉田 奈穂子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00317968)
|
Keywords | 顎関節症 / 筋痛 / 筋血流量 / 組織酸素飽和度 / 疼痛 |
Research Abstract |
本研究の目的は顎関節症患者に対し、安静時咬筋組織血流測定(生物学的評価)と多軸評価(含むQOL、心理評価)を組み合わせた疼痛評価を行い、筋痛評価を非侵襲的かつ、生物学的・心理学的に行う方法を確立することである。 本研究は2施設でデータを集積し、他の施設で分析する方式を採用している。現在までにデータ集積装置の設置は終了し、解析方法まで含めてそれぞれの倫理委員会で臨床研究の承諾を得た。片側に筋痛を訴える顎関節症患者を連続抽出し、研究の同意が得た後、咬筋筋血流を測定した。研究参加時のMR画像診断の結果、筋性疼痛症例は19例、復位性関節円板転位症例4例、非復位性関節円板転位症例7例の計30例であった。 これら全例を用いた結果を途中解析すると、開口量は疼痛側酸化ヘモグロビン量(相関係数=0.590)、疼痛側還元ヘモグロビン(相関係数=0.585)、および非疼痛側酸化ヘモグロビン量(相関係数=0.557)、還元ヘモグロビン(相関係数=0.602)と有意な相関が見られたが、VAS値とは相関はみられなかった。 現在、患者の不安、抑うつ傾向、性格傾向などは分析中であり、今回の報告には間に合わないが、少なくとも筋痛を訴える顎関節症患者は開口量と咬筋の酸素飽和度に関係しており、仮説のなかの生物学的評価法は少なくとも妥当性があることが示されたと考えている。さらに症例を増やし、多軸評価の結果を出す予定である。
|